更年期障害(その2)

●病気と健康 ●連載 よそではきけない漢方の話

 
  
 
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みなさん、こんにちは。

さあ、今日はいよいよ本題に入ります。

 

さて四字熟語に戻って「陰虚陽亢(いんきょようこう)」の説明です。

 

「陰と陽はバランスを保たなければならないが、閉経によりバランスが乱れて陰が不足する。このため陰が陽を抑えきれず、陽が暴れだす。この結果、のぼせやほてりが出現するのだ。」

 

何だって! 抑えるだの暴れるだの、なんて擬人的なんだ。やっぱり中医学は非科学的だ!まあまあ、ちょっと話の続きを聞いてください。

陰陽(いんよう)はお互いに補い合うと同時に相手を牽制し合ってもいます。「陰虚(いんきょ)」つまり陰が不足すると、牽制のバランスが崩れて「陽亢(ようこう)」つまり陽が亢進することは理にかなってますよね。かなっていませんか?まだ納得がいかない方がいるようですので、寄り道をしてしばらく現代医学の話をしましょう。

 

たとえば脳がある臓器Aにホルモンを作らせる場合を考えてみましょう。脳から「ホルモンを作りなさい。」という信号が臓器Aにいきます。臓器Aは「ハイ、わかりました。」とホルモンを作り始めます。さて、ここで問題です。産生されるホルモンの量を一定にするにはどのようにしたらよいでしょうか。

そうですね。ホルモンが多く作られすぎたら脳がそれをキャッチして信号を少しセーブすればいいですね。少なすぎたら信号をもっと頻繁に出して臓器Aを働かせればいいわけです。こうすれば産生されるホルモンの量は一定になります。実は、この仕組みはネガティブフィードバックといって私たちの体だけでなく生物が共通に持っている制御方法なんです。

 

さて、ここでもし臓器Aが壊れていて全くホルモンを作れないとしたらどういうことになるでしょう。脳から信号がいってもホルモンは全く産生されません。脳は臓器Aが壊れていることは知る由もありませんから、さらに頻繁に信号を送ります。それでもさっぱりホルモンは増えません。脳はイライラしながら「こらっ。早く働け!」とばかり信号をじゃんじゃん送り続けます。

 

さてどうでしょうか。ホルモンはで信号はです。陰が虚したために陽が過剰になるのが理解してもらえたでしょうか。ちなみに、このたとえ話は、現代医学における制御の話です。中医学の考え方はこのようにきちんと筋が通っているんです。

 

話を陰虚陽亢(いんきょようこう)に戻します。機能であるとともにでもあるわけですから、これがほてりの原因になります。では、なぜ上半身ののぼせとなって現れるのでしょうか。つまり、なぜ首から上に熱が発生するのでしょうか。これは他の機会に詳しく説明しますが、とりあえず陽が亢進すると頭部の症状が出やすいと覚えておいて下さい。

 

それでは、今日はここまでにいたしましょう。次回はいよいよ生薬の話に入ります。乞うご期待。

 

 

ご注意

このコーナーは中医学の啓蒙が目的です。実際に症状でお困りの場合、あるいはここで取り上げた漢方薬を服用される場合は、必ず医師にご相談下さい。

 

 

 
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