血の浄化と肝の気滞の改善で、 Mさんは「女」がイヤでなくなった
      〜若い女性の生理痛の多くは、気滞血お(きたいけつお)が誘因      トップに戻る

●病気と健康 ● 伝統医学で生理痛に克つ!!  第 13 回

 
   
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TCMでいう、生理痛の4タイプとは

今回は、TCM(ティーシーエム。トラディショナル・チャイニーズ・メディスンの略)における生理痛の誘因タイプについて、整理します。第9回第10回の症例タイプ1〜4も参照してください。生理痛は大きく4つのタイプにわけられます。だからといって症状を、決してパターンで考えることはできません。生理痛に限ったことではありませんが、症状は人の数だけあるのですから。

診察中も「このタイプの症状かな?」と、おおよその判断ができたとしても、一人の患者さんを治療するには、その患者さんにもっとも適した治療法を見つけださなければ治療とはいえません。TCMが初診に時間をかける(患者さんからいわせると時間のかかりすぎかもしれませんが……)のは、的確な治療をするための第一歩だからです。

ここで、お話しをする各タイプの特徴は、あくまで分類上の物差しでしかありません。したがって、勝手な判断で漢方などを服用するのはさけてください。信頼できる医師の診断を受け、自分に適した治療をしてください。ご紹介する各タイプの特徴は、あくまで参考のためです。

 
   
   
 

◇気滞血お(きたいけつお)

Mさんがこのタイプでした。どちらかというと、生理痛に多いタイプです。前にも触れましたが、気滞お血(きたいおけつ)、つまり「気(き)が滞り血液が鮮度を失っている」ことで起きる症状は、けっして生理痛に限りません。体のいたるところで気滞お血(きたいおけつ)は起きます。

生理痛の場合は、とくに肝(かん)の気滞(きたい)によって起きます。Mさんもそうでした。肝(かん)の気(き)が滞る原因は、おもに情緒不安にあります。それはストレスだったり、憂鬱だったり、またイライラ、怒りなどが引き金になります。

肝(かん)の重要な生理機能は、血(けつ)の浄化です。肝機能が滞ると、血(けつ)の滞りをまねき、子宮の気血のながれが滞ることになります。結果として「不通即痛」、痛みが生じます。

検査しても、なんの異常も認められない生理痛の多くは、このタイプに属しています。このタイプは、気(き)の滞りを正し、血お(けつお)を取り除いて養分たっぷりの新鮮な血(けつ)の流れを回復させることで、改善します。

第9回に紹介した、症例タイプ1のIさんも、このタイプです。 

  (おもな症状)

  • 生理前、または生理中に下腹部が張り、痛む
  • 血お(けつお)が子宮内で滞り、塊をつくることで痛む。子宮筋腫の場合もある
  • 生理の出血量が少ない
  • 出血の色が暗い、血塊がある
  • 生理前、または生理中に乳房が張り、痛む
  • 舌の色が暗紫色

 

 

◇寒凝胞中(かんぎょうほうちゅう)

子宮内に寒が停滞することで起きます。つまり、子宮内になかから冷やすような誘因が潜むことで生理痛を起こすタイプです。寒が停滞することで、子宮の気血も滞ります。結果、スムーズな出血が起きずに、血(けつ)の塊をつくって出血をふさぎ、痛みを生じさせます。

胃腸が弱い人は、とくに寒を子宮に侵入させやすいようです。また、生理中に冷たい雨にあたったりして体を冷やすと、寒がさらに子宮の奥深くに入り込んで痛みを増します。中国に、生理中や産後は、冷たい水を使わない、冷たいものは食べないなどの習慣があるのも、このためです。

第9回に紹介した、症例タイプ2のSさんも、このタイプです。

  (おもな症状)

  • 生理前、生理時に下腹部が冷えて痛む
  • 生理の出血量が少ない
  • 出血の色が黒っぽい赤
  • 手足が冷える
  • 舌の色が白っぽい

 

 

 

 

◇気血虚弱(きけつきょじゃく)

生理によって出血したあとは子宮内に栄養分が不足し、それによって痛みが生じます。このタイプも比較的多い生理痛のタイプです。生理の後半から、生理後2〜3日はつづきます。

第10回に紹介した、症例タイプ3のTさんも、このタイプです。 

  (おもな症状)

  • 生理の出血量が少ない
  • 出血の色は薄い赤
  • 顔の色艶が悪い
  • 舌の色は白っぽいピンク

 

◇肝腎虚損(かんじんきょそん)

肝(かん)は血(けつ)を貯蔵し、浄化して再び送りだします。腎(じん)は精を貯蔵しています。血(けつ)が体外からとりいれた食べ物などによって後天的に得られる栄養物質だとすると、精は父母から受け継いだ先天的なものです。TCMでは、この精は後天的な栄養物質によってパワーを維持しています。

つまり、肝(かん)と腎(じん)は互いに依存することで、互いが維持できているという関係にあるのです。したがて、肝(かん)が元気をなくせば血(けつ)が滞る。すると腎(じん)に十分な栄養物質が送られない。腎(じん)が元気をなくし、貯蔵されている精がパワーをなくしていく。

肝(かん)、腎(じん)が元気をなくすと、子宮を滋養することができなくなり、痛みを生じます。

第10回に紹介した、症例タイプ4のNさんも、このタイプです。 

  (おもな症状)

  • 生理の後半にシクシクとした痛み
  • 生理時の出血は少ない
  • 出血の色は薄い赤
  • 腰がだるい
  • 微熱がつづいたり、のぼせがある
  • 舌の色は白っぽいピンク

いちがいにはいいきれませんが、若い女性に多いのが気滞血お(きたいけつお)、寒凝胞中(かんぎょうほうちゅう)。気(き)や血(けつ)が滞ることや生活上の不注意によって体を冷やすなどが原因です。加齢とともに増えてくるのが気血虚弱(きけつきょじゃく)、肝腎虚損(かんじんきょそん)。お産による出血や過労による気(き)の消耗などが原因です。

 

  ★チェックポイント

  • 若い女性に多い……ストレスや体を冷やすなどが原因の生理痛
  • 加齢とともに増える…過労による気(き)の消耗などが原因の生理痛

 

 
   
   
 

●次回予告●

現代医学で器質性の生理痛といわれる、病気が原因で起きる生理痛の症状をお話しします。該当すると思われる場合は、ぜひ婦人科の信頼できる医師の診断を受けてください。

 

 
 

 

 

 

 

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