加齢とともに増える「生理痛」のタイプ

子宮の栄養不足から起きる生理痛      トップに戻る

●病気と健康 ● 伝統医学で生理痛に克つ!!  第 10 回

 
     
  前のページ 目次 次のページ

 

 

 

 

 
 

引き続き、タイプ3、タイプ4をご紹介します。

まえにも触れましたが、いわゆる子宮内膜症や子宮筋腫によってもたらされる「器質性」の生理痛は年々増える傾向にあります。これについては後日改めて、ご紹介いたしますが、これは病気由来ですから、婦人科にかかるなどして治療を受ける必要があります。少しでも不安のある人は、早急に信頼できる医師、婦人科にご相談ください。 

 
     
     
 

加齢とともにふえる生理痛のタイプ

症例タイプ3◆虚弱体質や病後によるもの

  • ケース……1年前の正月にカゼをこじらせて、5日間は完全に寝込んだTさん(29歳、主婦)。その後、どうも体調がすぐれない。体質が変わったのかと思うくらい、以前の調子に戻らない。3月、娘の小学校入学前にと思って婦人科にかかったが、「別段、異常はないですね」。
     梅雨のころ、下腹部が痛みだす。生理中だったが、それまで生理痛らしい痛みで困ったことがなかったから、まさか生理痛だとは思わない。しかし、生理も終わりにさしかかると、ちょっと2階に上がるだけで息切れがする。すごくだるい。それからというもの、生理のたびに生理痛に悩まされている。唯一、いつもと違う青ざめたTさんをみると、娘がいろいろ気を使って家事を手伝ってくれるのが救いだ。
  • 痛みの時期……生理後半、生理後
  • 痛みの性質……シクシクとした痛み
  • 痛みに伴う症状……疲れやすい。動悸、息切れがする。ときに顔面蒼白となり、肌にツヤがない
  • お腹をさすると……痛みが減る

  • 出血量……基本的には少ない
  • 生理出血の色……淡赤色
  • 血塊……基本的にない

  • 舌の色……淡い赤

  • 治療原則……もともと不足している気(き)と血(けつ)を補い、調整する
  • フォーミュラ(例)
    • ベース十全大補湯(じゅうぜんだいほとう/術後、病後の体力の衰えに効果)
    • 不安感を伴う人参養栄湯(にんじんようえいとう/疲労、病後の衰弱や倦怠感、食欲不振をともなう生理痛に効果)
    • 不眠、動悸帰脾湯(きひとう/心身の疲労、不眠などをともなう生理痛に効果)

  • 発症のメカニズム……病後など、体力の衰えている場合は気(き)が不足しています。生理後は生理出血のため、さらに気(き)と血(けつ)が不足します。結果、子宮の栄養不足が原因で、痛みが発生します

症例タイプ4過労などによる精力減退で起きるもの

  • ケース……福祉関係の仕事をしているNさん(30歳、団体職員)は、ここ数年、定時に帰ったことがない。人員不足が理由であることは、職員全員がわかっている。それでも、改善はされない。まして、福祉関係ということもあって、主役はユーザー。サービスやケアの手を抜くこと、質を落とすことは許されない。
     Nさんも、ベテランの一人として、若い職員をねぎらい、ハッパをかける立場だけに、自分のストレスまでは手がまわらない。最近、そんなNさんを生理になると、めまいが襲う。貧血状態だからと納得はしてみたものの、ときどき耳鳴りがするようになった。生理痛自体はガマンできないほどではないので気にしないようにしているが、耳鳴りには、少し真剣に自分の心身のケアもしようと思っている。
  • 痛みの時期……生理後半、生理後
  • 痛みの性質……シクシクとした痛み
  • 痛みに伴う症状……足腰がだるい。ときに耳鳴り、めまい、のぼせが起きる
  • お腹をさすると……痛みが減る

  • 出血量……基本的には少ない
  • 生理出血の色……淡赤色
  • 血塊……基本的にない

  • 舌の色……淡い赤

  • 治療原則……腎ホルモン系と肝ストレス系の機能を高める。腎ホルモン系は、いわば生命力の源といえるもの。つまり精力減退を改善する必要があります
  • フォーミュラ(例)
    • ベース六味地黄丸(ろくみじおうがん/婦人科の基本方剤で、長期使用で肝腎系を改善)
    • 冷えがある八味地黄丸(はちみじおうがん/六味に附子(ぶし)と肉桂(にっけい)を加えたもので不妊症などの腎系不調を改善)
    • イライラ、気分の落ち込み六味地黄丸に加え、加味逍遥散

  • 発症のメカニズム……過労、多産、性行為過多は肝ストレス系と腎ホルモン系の機能を低下させ、血(けつ)の不足を起こします。生理後は、生理出血でさらに血(けつ)が不足します。結果、子宮の栄養不足が原因で、痛みが発生します

フォーミュラは、服用する時期を間違えると、効果はありません。そればかりか、害にもなります。市販のものを使う場合には、用量、用法を正しく守ってください。医師や薬剤師の指導を受ける場合は、その指示に従ってください。

生理の前後は、冷たいものの食べすぎ、飲みすぎ、水泳など、体を冷やすものは避けてください。過労や性行為過多に注意し、ストレスの発散を工夫してください。また、毎月訪れる生理、それに伴う痛みを過度に恐れないこと。生理痛の多くは、こういた、対処で改善をみるということも臨床データは示しています。

 
     
     
 

●次回予告●

最初(第1回)に登場いただいたMさんに対するTCMフォーミュラを紹介し、その効果の表れ方を説明いたします。

 

 
 

 

 

 

 

前のページ 目次 次のページ

       トップに戻る

 
     
 

※無断複製・転載・放送等はお断りいたします