痛みは生理痛の女性の数だけ違う      トップに戻る

●病気と健康 ● 伝統医学で生理痛に克つ!!  第 8 回

 
     
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生理痛の症状は千差万別

TCMでの診察は人を診ます。たとえ、どのような症状であっても、人を診ます。舌を診る舌診や、皮膚の状態などを診る触診など、いくつかの診察をじっくりとおこないます。なかでも、その人の自覚症状などを聞く問診は、とても重要です。

ひとり一人に個性があるように、症状のあり方も十人十色、千差万別だからです。その人に必要な治療を的確に把握するためにも、自覚症状や生活習慣などにじっくり耳を傾けます。いまだ、3分診療が改善できない現代医学の大病院では、考えられないほどの時間をひとり一人にかけて診立てていきます。

したがって、生理痛の症状についても、その特徴、傾向を把握し、また改善法を体系化しています。ここではまず、いくつか症例を紹介しましょう。

<症例>

  • 生理痛は初日のみだが、ズキズキとした痛みが下腹部に走る。一日中続くときもあり、夜中も寝られず、明け方失神するように眠ることもよくある。生理中は冷え性が悪化(28歳)
  • 生理中ずっと、軽い痛みが続く。四六時中なので気が遠くなるときも(29歳)
  • 初日のみ生理痛がある。軽いズキズキとした痛みで、耐えられないほどではない。生理中は頭痛、冷え性にも悩まされる(17歳)
  • 初日、二日目は腰痛がひどい。生理痛という感じではなく、腰のあたり全体に鈍痛が押し寄せるといった感じ。立っていられないときもある(28歳)
  • 生理痛は初日だけ。キリキリとした子宮を突き刺すような激しい痛み。涙があふれでてくる。自分で子宮を取ってしまおうかと毎回思う。生理時は体がいつもより冷えるように感じ。いっそ死ねたら、とも思うことがある(25歳)
  • 初日のみ激痛に苦しめられる。激痛のピーク時は、体を折り曲げ、全身に力をいれて硬直するしかない。呼吸できているのが不思議なくらい。とにかくベッドのなかでヘトヘトになりながら硬直を繰り返している。仕事なんかしてられない(22歳)
  • 生理はいきなりの激痛ではじまる。三日くらいは激痛が波のように引いては押し寄せる。出血もかなり多い。生理中は頭痛、下痢も定番になっている。女であることが、つらいと思う(27歳)
  • 初日、二日目が大変。この二日間が過ぎるのをとにかく耐えて待つ。ズキズキとした重たい痛みが子宮の内側から360度に広がる。出血も多いので、生理の時期はじっと部屋にこもって、なにもしたくない。毎回、救急車を呼ぼうと思うときがある(32歳)
  • 初日から三日間、子宮がうずく。腰が重たくなって、まっすぐ立った姿勢ではいられない。三日間は歩きたくない。生理中は頭痛、吐き気、冷え性も襲ってくる。立ちくらみもよくある(30歳)
 
     
     
 

どんなに激痛に苦しんでいても生理痛の多くは病気でない……

幾人かの紹介ですが、これが本当に病気じゃないことが、かえってかわいそうになるくらい、みなさんは苦痛や世間の無知と闘っています。文章でも多少は症状の違いはわかりますが、たとえば「ズキズキ痛む」と訴える女性が、みな共通の痛みだというわけではありません。まして「キリキリ痛む」「鈍痛が走る」「激痛がはしる」「突き刺すような痛み」「重たい痛み」……

一生懸命に、自分の症状を医師に伝えようとする女性の説明には涙がでる思いです。それだけに、ひとり一人の痛みを、症状を的確に把握してあげたいと思うのは医師としてあたりまえです。

ですから、TCMでは「生理痛で下腹部がズキズキ痛む」という訴えに対して、「妊娠したら治る」なんて、とてもそんな診療はできません。どうしたら痛みを軽くできるのか、取り除けるのか。化学薬品ではなく、自然にあるもので、体に安心なものを使ってできないかと、ひとり一人の処方に七転八倒の思いで取り組んでいます。

TCMでは、生理痛にはいくつかの傾向があり、それぞれの特色も体系化されています。もちろん、十人十色、千差万別であることに間違いはありませんし、ひとり一人にあった処方をおこなうことも間違いありません。ここでは、TCMにおける膨大な個々人の臨床データを分析していった結果、幾つかの似た傾向をもつものに分類できるのだと理解しておいてください。

 
     
     
 

●次回予告●

TCMからみた生理痛の傾向、その分類の一部に簡単に触れます。女性に生理があるおかげで、人類は今日の繁栄を築いたといっても過言ではありません。男性にも、「女性だけに毎月やってくる生理」を、そして「生理痛」を、もっと知ろうとする意識をもっていただきたい!!

 

 
 

 

 

 

 

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