生理がひどければ、会社を休むことができる
まず最初に、労働施策としての対応です。
労働基準法では、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を使用者に対して請求した場合に、その女性を就業させることを禁止しています。つまり、苦痛に顔をゆがめながら、はかどらない仕事をする必要はないのです。職場の仲間が協力して、お互いに助け合って、当事者をゆっくり、きがねなく休ませてあげましょうという決まりになっているのです。
保健施策としての対応はどうでしょう。
月経障害を含む女性特有の健康問題については、保健所等において、「生涯を通じた女性の健康支援事業」や一般相談等の中で、相談や指導を行っています。つまり、気軽に相談できるようにはなっています。
教育施策としての対応はどうでしょう。
学校教育における性教育は、児童、生徒の発達段階に応じて体育、保健体育、理科、家庭等の教科や道徳、特別活動などを中心に学校教育活動全体を通じて実施されています。月経についても、性教育の一環として指導されています。また、養護教諭を中心に月経に関する個別相談や指導も実施されています。
保険師に、恥ずかしがらず相談することをすすめています。もし、これをお読みの方が適齢期の女の子をお持ちのおかあさんであるなら、折にふれ、保健室で相談できることを伝えてあげてください。また、おかあさんも、お子さんのよき理解者として、相談にのったり、一緒に相談にいったりできるといいですね。相談相手は身近であるほど、当事者は心強いものです。
しかし、まだまだ整備が必要なことも指摘されています。上記研究会の報告書から引用します。
「学校教育においては、月経の仕組みや月経障害について教育をおこなうとともに、保健施策においては、地域の保健師等による指導やパンフレットによる情報提供等、あらゆる機会を通じて知識の普及を図る必要がある」
「月経を『女性にとって妊娠の準備状態であり、我慢しなければならないもの』と捉えるのではなく、『女性の健康状態を示す指標』であり、『その症状がひどい場合は社会生活を疎外する要因となり、治療等の対応が必要なもの』として意識させるような健康教育・相談が必要である」
「特に子宮内膜症などにより症状が重い場合には、女性の活動の阻害要因となる場合があるため、月経について職場や家庭での理解を深めるよう、事業主や家族への適切な情報提供が必要である。さらに、月経日に快適な生活が送れるよう、学校、職場の洗面所やトイレ等の設備面の配慮が必要である」
「月経については、女性が一人で悩まず身近で気軽に健康相談を受けられる体制を整える必要がある。
学校においては、児童・生徒が保健室で気軽に適切な健康相談を受けられるようにする必要がある。そのため、教職員に対する研修に、月経についての内容を盛り込むことなどにより、教職員がこれらについて正確な知識を持ち、対応できることが望まれる」

「市町村保健センター、保健所等の身近な施設の医師や保健師、地域産業保健センター、産業医等に気軽に相談できる体制を整える必要がある。
また、職場で、月経困難にも関わらず、生理日の就業が著しく困難な女性が本来取得し得る休暇を取得できない状況を改善するためには、産業医等が月経障害に精通し、適切な助言・相談をおこなうことが望まれる」
「重い月経痛は、子宮内膜症や子宮筋腫等の疾病が原因となっている場合があるため、医療機関受診の必要性についての情報提供をおこなうとともに、相談機関から医療機関に紹介する体制の整備を図り、女性が気軽に医療機関を受診し、適切な診断や処置を受けられるような体制を整える必要がある」
「月経障害については、症状の判断が難しく、個人差もあることから、十分な治療法が確立しているとはいえない。このため、月経障害については、より一層の研究を推進する必要がある」
まだまだ、女性にとって「やさしい社会」といえないようですね。それだけに、女性ひとり一人が、「生理」に対して正しい知識をもち、「生理」をとりまく社会環境を把握して対処していくしかありません。生理に対する理解の輪の広がることを願いつつ。
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