20歳代半ばから増えはじめる、「器質性」の生理痛      トップに戻る

●病気と健康 ● 伝統医学で生理痛に克つ!!  第 4 回

 
   
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「器質性」の生理痛は病気が原因

20歳代に入ると、体の成熟にともなって、生理も少しずつ安定してきます。一方で、西欧型の食生活はエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌過剰をもたらすといわれています。エストロゲンの増加は、子宮内膜症や子宮筋腫の原因となり、「器質性」、つまりは病気が原因の生理痛を誘発する可能性が強くなってきます。

再び、厚生省(現・厚生労働省)児童家庭局母子保健課が出した「生涯を通じた女性の健康施策に関する研究会」の報告書をみてみましょう。

子宮内膜症(子宮腺筋症を含む)については、日本での子宮内膜症の患者数は約12万8000人と推定され、30代前半の女性がもっとも多く、次いで20代後半が多くなっています。

子宮筋腫については、患者数は1万4000人と推計されており、近年、わずかずつではありますが、増加傾向を示しています。40歳代の女性の4人に1人が子宮筋腫を持っているといわれており、筋腫の発生部位や大きさによって様々な症状を引き起こしています。また、子宮内膜症の合併率も高い傾向がみられます。

 
     
     
 

「子宮後屈」そのものは、生理痛の原因とはならないが
「子宮後屈」が子宮内膜症に起因する場合は生理痛を誘発する

第一回めに登場いただいたMさんは、「子宮後屈」と診断されていますが、それが原因で生理痛が起きていたわけではありません。「子宮後屈」だからといって、生理痛は起きません。ですから、診断で「子宮後屈です」と告げられることに、どれだけの意味があるのか、不可解です。「子宮後屈」=「病気」、あるいは「何かの原因になる」、といったことであれば別ですが。

ただ、子宮内膜症が原因で「子宮後屈」になっている場合があります。Mさんの場合は違いますが、このケースでは、生理痛がひどいだけではなく、生理以外でも生理痛のような痛みがあります。性行時に痛む、排便時に痛む、頻繁に下痢をするなどといった症状も起こります。この場合は子宮を元の位置に戻す手術が必要となる場合もありますが、珍しいケースです。「子宮後屈ですね」といわれただけでは、何の問題もないと思って良いでしょう。

成熟とともに、あるいは加齢とともに、生理痛の原因は病気由来の可能性が高くなってきます。ここで、少し整理をしておきましょう。

「機能性」の生理痛は、子宮の未成熟、子宮の強い収縮、あるいはストレスが原因で起きます。健康な体が生理時に起こす反応としての痛みです。正確には、「機能性」の生理痛、生理に伴う痛みが「生理痛」なのです。

これに対して「器質性」の生理痛は、子宮内膜症や子宮筋腫などが原因となった生理時の痛みです。つまりは、病気や症状によってもたらされるもので、病気や症状がなければ生理に伴う痛みはないわけです。ですから、生理痛を「機能性」と「器質性」にわけて、大きく二種類の生理痛があるとするのは、あくまで便宜的なものだということを理解してください。

 

  ★チェックポイント

  • 「生理痛」は、正確には「機能性」の生理痛のこと
  • 病気や症状がなければ、生理に伴う痛み(「器質性」の生理痛)はない

ここでは、「生理痛は病気ではない」「病気によって起きるのではなく、健常でありながら、体や子宮の成熟度、あるいはストレスに対する心身の反応によって引き起こされる、生理に伴う痛みだということをわかってください。

しかし、いわゆる子宮内膜症や子宮筋腫によってもたらされる「器質性」の生理痛は年々増える傾向にあります。これについては後日改めて、ご紹介いたしますが、これは病気由来ですから、婦人科にかかるなどして治療を受ける必要があります。

生理の前になると、イライラしたり怒りっぽくなったり、空しさに襲われたりといった症状に悩まされる人も多いようです。これらは、月経前症候群(PMS)といわれる症状ですが、PMSについても後日、別にコーナーを設けてご紹介いたします。

 
     
     
 

●次回予告●

生理(月経)とはなにか。生理は、なぜ起きるのか。女性にしかない「生理のメカニズム」をおさらいします

 

 
 

 

 

 

 

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