|
確かに妊娠・出産することで生理痛が軽減、あるいは消滅する身体的、あるいは時期的な特徴のあるケースもあります(後述)。しかし、「妊娠する・出産する」ことと「生理痛をなんとかしたい」こととは、次元の違う問題です。一歩間違えば「セクハラ」とも受け取られます。 もちろん、そんなことを考えて発言する医師はいないでしょう。むしろ、将来的には軽減する可能性が大ですよといった、応援する意味を込めてのことでしょうが、いわれた多くの人が不快感・不信感を強く示しているのも事実です。 「生理痛は病気じゃないのだから」「たかが生理痛でしょ」 そのほかの言われ方では突き詰めると、大方この二つの言葉に集約できるようです。婦人科の専門医ですら、このような応対なのですから、それ以外のたとえば職場や学校であれば、もっと悲惨な状況が生まれても当然(?)なのかもしれません。 一方で、そういった発言をする人の多くが男性である、ということも気にかかります。もちろん女性の上司や同僚、友人からの発言もあるようですが、この場合は、「生理痛」を理解していないというより、症状以外のことに起因する応対のケースが多いように思えます。 「生理」は、女性特有のものです。そして「生理痛」は、女性だけが経験する症状です。どんなに、男性が「生理」を「生理痛」を理解しようとしても、女性と同様の理解はできないでしょう。 もちろん、医師である以上、女性も男性も関係ありません。経験と実績のある婦人科の男性医師も多数いらっしゃるでしょう。そのことを否定するものではありませんが、女性特有の症状、病気は、けっして男性の経験できるものではない、ということだけは事実です。
女性の多くが、女医に診てもらうことを希望しているのも事実です。羞恥心だけではないのです。ある意味、死ぬよりもつらい状況が必ずといっていいほど毎月訪れます。念じても必ずやってきます。それもジワリと、「そろそろくるな」といった前兆をともなって。 毎回、覚悟をきめて「激痛」に臨まざるをえない身としては、 「本当になんとかしてくれるのなら、男でも女でもいい、医者でなくたっていい!!」 のです。でも、周囲の話を聞けば聞くほど、市販の本やネットで調べれば調べるほど、病院にいきたくないと思ってしまう人が多いのが現実です。しかも、前述のような応対の話を聞けば、ましてや、 「男性医には絶対かかりたくない!!」 つまりは「男性に、このつらさがわかるのか」といった気持ちです。最近では、そういった女性の切なる望みを反映してか、使命感をもって婦人科医を目指す女性が増えてきています。誤解を恐れずにいえば、男性医には申し訳ないのですが、女性にしかわからない問題だからこそ、「診察の現場」では女性に活躍していただきたいと思います。 同じ「診察の現場」であっても、病気や怪我については多少状況が異なります。ガンにならなければガンの治療に携われないのか、脳溢血で片麻痺にならなければ、患者の状態、気持ちは理解できないのか、といったこととは違うのです。もちろん、同じような病気や怪我の経験をすれば、していない人よりも患者の理解は、より深まるでしょうが。 「生理痛」は若年であればあるほど、病気に原因があるケースは少ないといえます。加齢とともに、たとえば子宮内膜症や子宮筋腫などが原因となるケースもでてきますが(後述)、本来は「生理痛」=「病気が原因」ではありません。健常な女性を襲うのです。女性特有であり、男性にはないとすれば、しかも男性の理解が及ばないとしたら、ここは素直に女性の活躍を願いたい、ということです。 ★チェックポイント
- 「生理痛」は女性特有のもの、男性にその辛さはわからない
- できれば男性医師に診てもらいたくない
- 若年であるほど、病気が原因の「生理痛」は少ない
- 本来「生理痛」は、健常な女性を襲う症状
|