みなさん、お元気ですか。五月なのに、今年はあまりお天気に恵まれません。寒い日とか雨の日とかも多いですしね。まるで、今日おはなしする生薬のようです。
構成生薬の働き
知母(ちも)、地骨皮(じこっぴ) : 余分な熱をとり、水分を補います。
知母(ちも)
これはハナスゲの根です。なぜ「母を知る」と書くのか昔から疑問に思っては調べてみるのですが、どこにも書いてありません。どなたかご存知の方いましたら是非教えてください。
知母(ちも)は口渇(こうかつ)を伴う発熱の時に石膏(せっこう)と共に用いられます。これに、さらに炙甘草(しゃかんぞう)と粳米(こうべい)を加えると有名な白虎湯(びゃっことう)となります。ちなみに白虎(びゃっこ)とは方角をつかさどる天上の神のひとつで、東の青竜(せいりゅう)、南の朱雀(すざく)、西の白虎(びゃっこ)そして北の玄武(げんぶ)を天の四神といいます。
先日、キトラ古墳で朱雀や白虎などの壁画の表面にカビが発生していたというニュースがありましたよね。あれですよ、あれ。
脱線ついでに中国の五行論(ごぎょうろん)では
東は春で色は青、南は夏で色は赤(朱)、西は秋で色は白、北は冬で色は黒となるので、それぞれ青春・朱夏・白秋・玄冬という熟語になりますが、どうです?
青春という今まで何気なく使っていた言葉や、歌人の北原白秋の語源が実は五行論だったなんて、知ってました?わかって目からウロコでしょ。
さてここで問題です。では、中央の色は何色でしょう?答えはこのシリーズ「よそではきけない漢方の話」のどこかで発表します。

写真提供
帝京大学薬学部
創薬資源学教室
木下武司先生
地骨皮(じこっぴ)
この生薬はクコの根皮です。クコは日本中のどんなところにでも自生しているナス科の落葉低木で、夏に淡い紫色の花を開きます。昔は田舎に行くと、いたるところにクコの生け垣があったそうです。
名前の由来はというとですね、えー、からたち(木偏に句と書く。漢字がパソコンにないのが残念。)のようなトゲと、こりやなぎ(木偏に己と書く。)のようなしなやかな枝からこのように名付けられたと李時珍(りじちん)の「本草綱目(ほんぞうこうもく)」には載っていますね。
さて、クコの果実をクコシといい、滋養強壮で有名です。一説には、秦の始皇帝も不老長寿を願って愛用していたとかで、クコ酒として親しまれているだけでなく、薬膳料理のおかゆに入っていることも多いですね。そうそう、韓国料理にサムゲタンというスープがありますよね。あの中には、朝鮮人参やナツメといっしょに、赤く小さな実が入っていますが、それがクコシです。
若葉はクコ葉(よう)と呼ばれ、これはごまあえにしたりご飯に炊き込んでクコ飯にするとおいしいですよ。お茶としても親しまれており、クコ茶として動脈硬化の予防によく利用されています。
根皮が地骨皮(じこっぴ)でこちらは体内の余分な熱を取り去ります。このように同じ薬用植物でも、部位によってそれぞれ薬効が違っていて、利用のされ方も様々なんて、イヤー、漢方は奥が深いですね〜。

写真提供
帝京大学薬学部
創薬資源学教室
木下武司先生
ご注意
このコーナーは中医学の啓蒙が目的です。実際に症状でお困りの場合、あるいはここで取り上げた漢方薬を服用される場合は、必ず医師にご相談下さい。
|