アロマテラピーからのアプローチ(2)      トップに戻る

●病気と健康 ● 優しいハーブで「慢性疲労」が消える!!  第 10 回

 
   
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現代医学で使われている医薬品の1/2〜1/4はハーブ(薬用植物)が起源です。その意味でハーブは、「薬」のルーツともいえます。メドウスィートというハーブなどを原料にアスピリン(アセチルサリチル酸。熱や痛み、炎症を抑え、血液の流れをよくする)が合成されたのが1899年ですから、人類の長い歴史を考えると「現代医薬」が登場したのは最近で、それまではずっとハーブが人を慰め、病を癒してきたことがわかります。

アロマテラピー植物療法のひとつです。植物療法は、植物が光合成の過程で生合成(生きている細胞内で物質が合成されること 「大辞林 第二版」三省堂)した植物化学成分(フィトケミカル)を用いて自然治癒力(自己治癒力と自己調節機能)に働きかける療法です。

では、アロマテラピーはどのように体に作用するのでしょうか。

 
   
   
 

精油が体に有効となる
芳香療法の2つの方法

ひとつは、鼻から香りを吸収して、脳に働きかける芳香浴です。もうひとつは、精油を植物油で薄めたものを皮膚から吸収させ、血液やリンパ液に送り込むアロママッサージです。

・芳香浴

芳香浴は、揮発性の香りの分子を空気中に放散することで、呼吸とともに鼻から体内に取り入れます。鼻から吸収された香りの成分は、電気信号に変換されて最終的には脳下垂体へと達します。

脳下垂体は、自律神経や内分泌系、免疫系のシステムを統括する、いわば生命維持システムの司令塔です。ここに香りのもつ“メッセージ”が伝わると、それぞれの香りのメッセージに反応した生理活性物質が分泌されます。

たとえば、ラベンダーの香りはセロトニンという生理活性物質を分泌させます。セロトニンは神経系を鎮静させる物質で、「心身をリラックスさせる」というラベンダーからのメッセージによって分泌が促されるのです。

・アロママッサージ

アロママッサージでは、3つの効果が期待できます。

  1. 血液やリンパ液の循環を高める
  2. 体の緊張をほぐし、リラックスさせる
  3. 体にたまった水分や老廃物を取り除く

これらの効果にプラスして、精油の効用が加わります。

植物油で薄めたエッセンシャルオイル(精油)が、マッサージをすることで皮膚(一部は呼吸器)からの吸収をうながし、毛細血管やリンパ管から全身を巡る生体活性化の旅の友となります。全身を巡ることで、脳下垂体同様、末梢の自律神経、内分泌系、免疫系にメッセージを伝達するわけです。

当然、鼻からも香気は吸収されます。脳下垂体への効果もあり、全身くまなく、メッセージの伝達を完了することになります。そして、体内に入った精油は役目を終えると、最終的には腎臓からの尿、皮膚からの汗、肺からの呼気(吐きだされる息)という3つのルートで体外に排出されます。

 
   
   
 

ハーブのもつ生体防御機能の活性化作用と
抗酸化作用に注目!!

最近になって再びハーブに注目が集まりつつあります。ハーブが生体防御機能の活性化作用抗酸化作用を有していることが理由であり、こうした働きによって現代社会に急増しつつある心身症や生活習慣病、あるいは慢性疲労などに対処することが可能であるためです。

生体防御機能は、人間でいえば、人間本来の、年齢相応の、生物的にベストな状態を保とうとする生命維持機能です。自然治癒力もその範疇です。自分の体のものではない異物の進入に対しての、たとえば抗原抗体反応、免疫力なども含まれます。

三重大学の臨床研究ですが、健康な男子学生6人に、片手に鉄アレイを持たせて25分間、正座をしてもらい、5分ごとに唾液採取をしてストレスによる免疫抑制の変化(ストレス緩和効果)を測定したデータがあります。実験はシトラス系の香りを適当な濃度で与えた場合と香りなしの場合を測定しています(正座開始直前の唾液を基準)。結果、香りなしの場合は5回の計測とも基準値以下で推移しているのに対し、香りを与えた場合は3回目の計測以降、基準値を上回って右肩上がりに推移しています。

結果、「シトラス系香料の香りには、ストレスによる免疫系の抑制を効果的に回復させる働きがある可能性が示唆された」のです。つまりは、生体防御機能の活性化を意味しています。

抗酸化作用は、酸化、つまりは腐敗や老化を食い止めようとする作用です。酸素は生物にとって、なくてはならないものです。栄養素と一緒に体内で完全燃焼し、エネルギーに変換されればいいのですが、その過程で活性酸素が発生します。活性酸素は増えすぎると細胞や遺伝子を傷つけてしまうのです。つまり、細胞レベルでの酸化が起きるのです。ということは、人間でいえば老化が早まるということです。動脈硬化などの生活習慣病、あるいは痴呆といった諸症状も、老化の一発症形態なのです。

加齢とともに、体内の活性酸素の量は増える傾向にあります。何百種類とあるハーブには、共通する成分として、活性酸素を除去するSOD(活性酸素除去酵素)の働きをする成分が多量に含まれています。食後のハーブティーを楽しむことは、活性酸素を効果的に除去することにもなります。ハーブの特性を理解したうえで、いろんなハーブティーを生活の彩りとして、楽しんでください。楽しむことで、老化が防げるのですから。

ある実験データによりますと、抗酸化度の高いものとして、ローズマリー、セージ、タイム、あるいはオレガノ、ジンジャー、ナツメッグなどがあげられています。昔、70歳になるハンガリーの女王が、ローズマリーの化粧水で若さを取り戻し、隣国のポーランドの国王から求婚されたという話があります。この化粧水の処方は、「ハンガリーウォーター」として、今日まで伝えられています。

 

  ★チェックポイント

  • ハーブは、体をベストな状態に保とうとする生態防御機能を活性化する
  • ハーブは、体を老化させる活性酸素を除去する
  • 抗酸化度の高いハーブ
     ローズマリー、セージ、タイム、オレガノ、ジンジャー、ナツメグなど

生体防御機能の活性化作用、抗酸化作用は、ストレスから心と体を解放してくれます。「慢性疲労」はストレス社会に生きる現代人に多くみられる症状です。一種の生活習慣(社会・会社生活も含む)からくる悪影響といってもいいでしょう。アロマテラピーを、新たに生活習慣のなかに取り込んでみてください。生活習慣を変える糸口にするのです。そうすることで、あなたの「慢性疲労」改善への道筋は必ず見えてきます。

●次回予告●

いよいよ「慢性疲労」のケーススタディ(症例)です。代表的な症状を、ご紹介いたします。

 

 
 

 

 

 

 

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