睡眠障害と不眠症(その15)      トップに戻る

ナルコレプシー

 
  
 
  前のページ 目次 次のページ  
 

 

ナルコレプシー

前夜しっかり眠ったのにもかかわらず、日中とつぜん睡魔に襲われてそのまま寝込こんでしまったとしたらどうなるでしょうか?それも大事な会議でのプレゼン中、あるいはビッグな契約がまとまりかけようとした矢先、はたまた車の運転中。考えるだけでも恐ろしいことでしょう。ナルコレプシーはそういう病気なんです。

 

しかも、この睡眠の発作は一日に何回も繰り返します10分から20分眠ると眠気はいったんはおさまりますが、2〜3時間もすれば再び眠気の発作が襲ってきます。これが一日中何度でも繰り返されます。そして、毎日毎日続きます。

 

さらに悪いことにこの病気はほとんどの人が知りません。ですから周囲の人は怠け者としか思わないんですね。ナルコレプシーの患者さんは、突然の居眠り発作で様々な失敗を繰り返すでしょう。学校や会社にはとてもいられなくなるでしょう。試験や面接もうまくいかないでしょう。恋人にもソッポを向かれてしまうでしょう。これは本当にたいへんな、いや悲惨な病気です。

 

だからこういう病気があることを一人でも多くの人に知ってもらいたいと思います。そして、もしそういう症状の人がいたら暖かい気持ちで接してあげてほしいと思います。いやそれよりもまず、すぐに専門医にかかることをすすめてほしいと思います。

 

さて、ナルコレプシーは日本には600人に1人ぐらいの割合でいるといわれています。患者さんは10代から20代前半に多いのですが、特に14〜16歳つまり中学から高校にかけての多感な世代に集中しています。原因は不明ですが、遺伝が関与しているといわれています。

 

じつはナルコレプシーの症状は睡眠発作だけではありません。笑ったり、大喜びしたり、怒ったり、といった強い感情が起こると、体の筋肉の力が突然抜けてしまうという症状もあります。これを情動脱力発作といいますが、たとえばワールドカップで日本が勝ってヤッター!と思った瞬間に床に崩れ落ちてしまうわけなんですね。

 

ほかには、眠りに落ちるとすぐ、悪夢に襲われるという症状もあります。妙に現実的で生々しく、しかも恐ろしい夢。たとえば今いる部屋に殺人鬼が突然現れて刃物を突きつけてきたり…。これを入眠時幻覚といいます。そして、悪いことに患者さんは金縛りにあったように全く動けません。これを睡眠麻痺と呼びます。

 

入眠時幻覚と睡眠麻痺は入眠直後にレム睡眠がやってくるために起こるんですね。レム睡眠の話を思い出してください。そうですね。ふつうはレム睡眠はノンレム睡眠が90分続いた後に起こるんでしたね。ナルコレプシーの場合は、眠りに落ちるとすぐにレム睡眠になるために幻覚と金縛りが起こると説明されています。

 

ナルコレプシーは専門医の適切な診断と治療により、普通の日常生活が送れるようになりますので、まず専門医にかかることが大切です。また、日本ナルコレプシー協会というNPO法人のホームページがありますので是非ご覧下さい。

 

 

 

 
      前のページ 目次 次のページ

       トップに戻る

     
  
 
 

※無断複製・転載・放送等はお断りいたします