睡眠障害と不眠症(その11)      トップに戻る

睡眠のしくみ〜睡眠物質

 
  
 
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睡眠のしくみ〜睡眠物質

 

前回は体内時計が私たちの睡眠をコントロールしているんだという話をしましたが、実際には、睡眠を支配している仕組みにはもう一つ大切なものがあるんです。

 

私たちは何時間も眠らないでいると、次第に眠くなってきてそのうち激しい睡魔に襲われますよね。これは眠らないでいると様々な睡眠物質がたまっていくからと考えられています。

 

たとえば、日曜日に昼寝をたっぷりしてしまうと、その晩は深夜まで目が冴えて目が冴えて全く眠気が起こってこない。イヤ〜、困ったナァ。明日大事なプレゼンがあるのに!…なんて経験は誰にでもあるんじゃないかと思うんです。

井上陽水も「明日は大事なデートだってのに昼寝をすると夜眠れないってのは一体ドウイウワケナンダ!!」と叫んでいます(「東へ西へ」)。でも、それは睡眠物質を使い果たしてしまったあなたが悪いんですな。

 

この睡眠物質、起きていると体内にたまってきて、眠ると減っていきます。現在までに何十もの物質がわかっていますが、その作用メカニズムについてはまだ充分解明されていません。ここではとりあえず、代表的な睡眠物質であるウリジン酸化型グルタチオンについて簡単に説明したいと思います。

 

私たちの脳には、無数の神経細胞があってお互いに複雑に結合しています。

その中で抑制的に働く一群をGABA(ギャバ)作動性ニューロン興奮的に働く一群をグルタメート作動性ニューロンというんですが、

ウリジンはGABA(ギャバ)作動性ニューロンの作用を促進します。抑制を促進するので、全体としては抑制的な効果があらわれ睡眠を促します

一方、酸化型グルタチオンはグルタメート作動性ニューロンの作用を抑制します。興奮を抑制するので、その結果としてはやはり抑制的な効果となりこちらも睡眠を促すように働きます。

 

難しい言葉が出てきてたいへん申し訳ありませんが、このように睡眠物質は神経細胞のネットワークに直接働きかけることで、私たちの睡眠を誘うんですね。

ちなみに、細菌に感染したりして熱が出ると眠くなりますよね。そういう場合も睡眠物質によって眠気が誘導されているんです。エッ?数学の本を読んでいる時にも睡眠物質が出るんですか、ですって?さあ、それはわかりませんねぇ。

 

上手な昼寝のコツ

要するに睡眠物質をあまり減らさないようにすればいいわけです。夕方に2時間も3時間も寝ると睡眠物質は枯渇してしまいます。正午からせいぜい2時ごろまでに、15〜20分の睡眠をとることをすすめます。

<シエスタ(午睡)は早めに短時間。>これが上手な昼寝のコツですね。

 

 

 

 

 
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