便秘の原因となる病気(2)        トップに戻る

●病気と健康 ● 快便美人になろう!!  第 6 回

 
   
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腸の炎症や糖尿病、痔、甲状腺の機能低下などで起こる

◆ひきつづき、便秘の原因となるおもな病気について、簡単に説明していきます。

(4)潰瘍性大腸炎、大腸憩室症、クローン病などによる腸の炎症

潰瘍性大腸炎

何らかの原因で大腸の粘膜に炎症が起こり、ただれや潰瘍ができる病気です。炎症はふつう直腸から結腸へと拡がっていくようです。症状としては、血液や粘液、あるいはウミの混じった軟便、下痢、発熱や体重の減少などが起こります。

症状は、おさまったり、悪化したりを繰り返すことが多く、長期にわたってこの病気とつきあうこともあります。 

大腸憩室症

大腸にできた憩室に炎症や出血が生じる病気です。憩室は、腸の一部が小さな袋状に突出したものをいいます。食物繊維が不足していると、大腸の運動が活発になって内圧が高くなったとき、腸壁の弱い部分から腸粘膜が突出してできると考えられています。

憩室は、腸の内容物が休憩(滞留)する場所という意味です。血便や腹痛がおもな症状ですが、放っておくと破裂し、腹膜炎を起こすこともあります。

クローン病

原因は不明です。おもに若い成人にみられ、口のなかから肛門まで、消化管のいたるところで起きます。1932年、アメリカのクローン博士が初めて報告したことからクローン病の名がつきました。消化管に潰瘍ができ、その部分が硬化して腸管が細くなったり(狭窄)、腸の周囲にウミがたまったり(腹腔内膿瘍)する炎症性の病気です。

症状がでたり、でなかったりを繰り返すのが特徴です。小腸の末端部にある回腸に多く発症しています。難治性の痔瘻(穴痔)もこの病気の特徴です。潰瘍性大腸炎と同様、年10%程度ずつ患者の増加が認められています。

症状は、腹痛や下痢、血便、体重減少、発熱、栄養障害、貧血。また関節炎、肝障害など、全身に合併症の可能性があります。

 
   
   
 

(5)その他、甲状腺機能低下症、糖尿病、膠原病、痔、手術後の癒着、胃酸過多、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、全身の衰弱、うつ病、妊娠など

甲状腺機能低下症

甲状腺がなんらかの原因で機能低下を起こし、甲状腺ホルモンが不足して、全身の機能低下を生じる病気です。腸の嬬(ぜん)動も低下するため、便秘や腸閉塞の原因にもなります。その他の症状としては、疲労倦怠、冷え、むくみ、意欲の低下など。 

糖尿病

「糖尿病は合併症の病気」ともいわれます。なかでも糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害が糖尿病の三大合併症といわれています。このほか、高血圧症、高脂血症などにも起きる下肢壊疽(かしえそ)、動脈硬化症も合併します。合併症が進行すると網膜症による視力障害や失明、腎症によるむくみや尿毒症、神経障害による手足のシビレ、便秘、下痢などがあらわれます。

膠原病

とくに強皮症では腸管の運動機能が低下し、便秘が起こりやすくなります。

肛門の粘膜がうっ血して起こる「いぼ痔」、硬い便で肛門が裂ける「切れ痔」、肛門周辺に穴があき、ウミがでる「穴痔」があります。いずれも痛みのために排便を我慢することで便秘になります。便秘になると、硬い便の排出がますます痔を悪化させてしまいます。

注意したいのは、痔であっても、消化管の病気もあって血や粘液が便に付着している場合です。痔による血便だと勘違いして受診しないでいたら、大腸ガンがかなり進行してしまったというケースもあります。

手術後の癒着

開腹手術をしたあと、回復過程で腸が他の臓器や腹膜などに癒着する場合もあります。子どものときの盲腸手術で腸管癒着が起き、慢性便秘が起きているケースもあります。

急性よりも慢性の症候性(器質性)便秘が要注意!!

症候性(器質性)便秘は、急性・慢性を問わず、放置すれば命にかかわることもあります。ただ急性の場合、吐き気や嘔吐などの激しい症状が起きますので、まず放っておく人はいないと思います。

しかし、慢性の場合、初期であるほど急激な変化がありません。便秘以外の症状もあまり自覚できませんので、原因となる病気の発見が遅れがちです。発見されたときにはかなり進行して、手がつけられない、つまり手遅れということも少なくありません。

何度もくりかえしますが、たかが便秘だと軽く考えないでください。自分なりの排便サイクルを目安にして、すこしでも変化がある場合には、便をチェックしたり、気になる自覚症状がないか、などをまず自己診断することです。ここでとりあげた病気の症状なども参考にしていただきたいのですが、最後に受診の目安となる症状をまとめておきます。

  <受診の目安>

  • 食事に気をつけているが、改善しない
  • 便はなんとかだせるが、いつもお腹が痛む
  • 残便感があって、すっきりとした排便ではない
  • 市販の薬を飲んでも効果がない。少し多めに飲んでも同じだ
  • 最近、便の量がかなり減ってきた。形状も健康な便ではない
  • 便秘の状態がひどくなってきた
  • 便がでても、表面に血がついていたり、粘液がついている
 
   
   
 

うんち苦(6)

便秘が女性に多いのはナゼ?

男性の2倍以上といわれる女性の便秘。とくに若い女性の便秘が目立ちます。原因としてはまず、女性の場合、男性よりも腹筋が弱いために、うんちをおしだす力が弱いことがあげられます。

つぎに、女性ホルモンの一つ、黄体ホルモンの影響で、大腸の蠕動(ぜんどう)運動を抑制する働きがあることです。月経・排卵のリズムは、おもに卵胞ホルモンと黄体ホルモンの働きによってコントロールされています。黄体ホルモンの分泌が活発になる排卵から月経までの期間は、女性にとって便秘になりやすい時期でもあります。

妊娠も便秘の原因となります。妊娠すると黄体ホルモンの分泌が増えるためや、運動不足になりやすく、大腸の蠕動運動がおさえられてしまいます。また妊娠が進むと、子宮が大きくなって腸を圧迫することも原因です。

食生活も原因にあげられます。若い女性はとくにダイエットや偏食で十分な食物繊維がとれていません。そのため、腸内の悪玉菌の働きが活発になって、蠕動運動が弱まり、宿便が増え、便秘の原因となります。

●次回予告●

TCM(ティーシーエム。トラディショナル・チャイニーズ・メディスンの略)からのアプローチにはいります。まずはTCMでは、便秘をどのようにとらえているのか、ご紹介します。

 

 

 

 

 

 
 

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