便秘の原因となる病気(1)        トップに戻る

●病気と健康 ● 快便美人になろう!!  第 5 回

 
   
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腸の癒着や狭窄、腫瘍による圧迫などで起きる

症候性(器質性)便秘の原因となるおもな病気について、お話ししましょう。便秘の原因となるおもな病気は、急性、慢性を問わず、大きく5つのタイプにわけられます。少しでも、症状が似ている場合は、早急に信頼できる専門医を受診してください。

  1. 大腸ポリープ、大腸ガン、子宮内膜症などによる腸の癒着や狭窄
  2. 子宮筋腫など、腸の周囲の臓器の腫瘍などによる圧迫
  3. 過敏性腸症候群、自律神経失調症などによる腸神経の異常で起きる腸の運動不全
  4. 潰瘍性大腸炎、大腸憩室症、クローン病などによる腸の炎症
  5. その他、甲状腺機能低下症、糖尿病、膠原病、痔、手術後の癒着、胃酸過多、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、全身の衰弱、うつ病、妊娠など
 
   
   
 

◆個々の病気について簡単に説明していきます。

(1)大腸ポリープ、大腸ガン、子宮内膜症などによる腸の癒着や狭窄

大腸ポリープ

ポリープは、胃や腸などの内壁にできた、キノコ状、あるいはイボ状の腫瘍の総称です。大腸ポリープは大腸の粘膜にできたポリープです。良性のもの、がん化するものなど、いくつかの種類がありますが、小さいうちは自覚症状がほとんどありません。

発生しやすいのはS状結腸、直腸ですが、最近は上行結腸や横行結腸、下行結腸、盲腸での発生も増えています。できた部位によって、結腸ポリープ、直腸ポリープなどともいわれます。

大腸ガン

盲腸から結腸,直腸そして肛門までの大腸粘膜上皮にできるガンのことです。できた部位によって結腸ガン、直腸ガンとも呼ばれます。初期には、ほとんど自覚症状がありません。

自覚症状としては,肛門からの出血、便に血や粘液が付着します。これまでの排便習慣と違って、便秘または下痢ぎみになったり、あるいは便秘と下痢を交互に繰り返します。腹痛、体重減少、全身倦怠感などがあります。

便秘がちの人は、便をよく観察する習慣をつけましょう。大腸ガンの早期発見につながるからです。

  <大腸ガンの便の特徴>

  • 便の色が黒いか、赤黒くドロッとしている
  • 便表面に血がついている
  • 便に血が混じっている
  • 便に粘液がついている

ただし、大腸ガンであってもできる部位によっては、鮮血が便に付着することもあります。また、便に血や粘液が付着していないこともあります。

子宮内膜症

子宮内膜の組織が子宮筋層、卵巣、直腸、子宮のまわりの組織、まれに肺などに広がる病気です。子宮内膜は、卵巣から分泌される女性ホルモン、エストロゲンとプロゲステロンの影響で毎月はがれて出血します。

子宮内以外に広がった内膜組織も、女性ホルモンに反応して、生理と同じような出血を起こします。毎月、広がった場所で生理のような出血を繰り返すのですが、子宮内のように正常な排出ができないために溜まって、周辺組織と癒着を起こすことになります。痛みがひどく、子宮筋腫とともに器質性の生理痛の代表格にあげられています。

子宮内膜が腸管に広がると、そこで生理のような出血を繰り返し、血液やはがれた組織が腸管に癒着する原因となります。子宮筋層にできた子宮内膜症を子宮腺筋症といいます。卵巣にできた子宮内膜症をチョコレートのう胞といい、生理時の出血はチョコレート色の液状となります。

(2)子宮筋腫、卵巣のう腫など、腸の周囲の臓器の腫瘍などによる圧迫

子宮筋腫

30〜40代の女性の4人に1人が子宮筋腫だといわれています。エストロゲンが関係しているのは確かですが、原因は不明です。子宮筋の筋繊維がふえてできる良性の腫瘍で、ほとんどは子宮体部にでき、一部が子宮頸部にできます。

種類は子宮内膜の下にできる粘膜下筋腫、子宮筋層のなかにできる壁内筋腫、子宮の外側にできる漿膜下(しょうまくか)筋腫の三種類です。

自覚症状のない場合が多いのですが、生理時の出血量が増えたり、凝血がまじる場合もあります。筋腫が大きくなると、硬い塊が触れるようになり、周囲を圧迫して、頻尿、便秘がちになります。 閉経後は、一般的に筋腫は小さくなっていきます。

卵巣のう腫

卵巣内にできる良性の腫瘍です。腫瘍が大きくなると、腸を圧迫します。

(3)過敏性腸症候群、自律神経失調症などによる腸神経の異常で起きる腸の運動不全

過敏性腸症候群について

現代人の10人に1人が過敏性腸症候群だといわれています。腸管を支配する自律神経(交感神経と副交換神経からなっている)が、ストレスなどの原因で乱れると、腸管の運動にも異常をきたし、便秘や下痢の原因となったります。また便秘と下痢を交互に繰り返すことにもなります。

  <おもな症状>

  • 腹痛、お腹が張る、お腹がよく鳴る、オナラがよくでる
  • 腹痛や腹部膨満感がたびたび起きる
  • 便が硬い。便秘がち。ウサギのフンのようなコロコロ便
  • 下剤を飲むと急にお腹が痛くなり、トイレに駆け込む
  • 排便後も残便感がある。
  • 食後に下痢を起こしやすい。
  • ストレスを感じると、便意をもよおす
  • 便に粘液が付着している

これらの症状のうち2つ以上あてはまる場合、過敏性腸症候群の可能性があります。

自律神経失調症

ストレスや不規則な生活などで、自律神経(交換神経と副交換神経からなっている)のバランスが乱れて起きる、様々な体の不調のことです。自覚症状があるのに検査をしてもとくに異常がみつからないのが特徴です。こうした場合、正式な病名ではありませんが、自律神経失調症と診断されることが多いようです。

身体的な原因としては、遺伝やストレス、ショック、外傷、手術、分娩、酒やタバコ、疲労、不眠、便秘、また職業病など様々です。また、精神的に不安定な性格、対人関係、経済力や地位に対する不満、また自然環境など、人間をとりまくすべてが原因となるようです。

症状も多彩ですが、おもなものとしては、微熱、頻脈、不眠、食欲低下、疲労、衰弱、記憶力減退、疼痛、めまい、息切れ、ふるえ、手足の冷え、発汗異常、神経性下痢、慢性便秘、排尿障害、更年期障害、月経障害などがあげられます。

 
   
   
 

うんち苦(5)

便秘による“不快”な症状

便秘はつらいうえに、いろんな“不快”な症状をもたらします。腸のうんちが排出できないと、腸内に悪玉菌が増え、腐敗醗酵でガスが発生しやすくなります。健康な人でも腸内にガスは発生しますが、自然な生理作用であるオナラとして排出されるので問題はありません。

便秘だと、そうはいきません。ガスは出口を失い、腸内にたまってスムーズに排出できなくなるため、不快なお腹の張りや腹痛の原因となります。

慢性便秘の場合、自律神経系のトラブルも不快なものです。女性にとつてはとくに不快な肌のトラブル(にきび、肌荒れ、しみ、そばかすなど)も、自律神経の働きが乱れ、皮膚の血行が悪くなるために起こるといわれています。

頭痛や肩こりも、便秘の人によく見られる不快な症状です。やはり自律神経の働きが乱れるせいだといわれています。また不眠やイライラ、怒りっぽくなる、といった症状に悩まされる人も多いようです。

いずれにしても、うんちがでない、ということで、体は体のいたるところでとても不快なシグナルをだしているのは事実です。人によって、シグナルは違いますが、決まったお通じがなくなったら、早急に快便のための生活改善(たとえば「便秘にサヨナラする10カ条」など)をおこなってください。。肌の状態を悪くしないなど、体への悪影響を最小限にくいとめるためにも。

また、「便秘にサヨナラする10カ条」(前述)は、日ごろからぜひ実践してください。

●次回予告●

ひきつづき、便秘の原因となる病気について、簡単に説明していきます。症状が似ている場合は、早急に信頼できる専門医を受診してください。

 

 

 

 

 

 
 

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