欧米型の食生活は、日本人の腸に負担となっている!! 便秘の場合、よく食物繊維を多くとるようにと、すすめられますね。前に紹介した「便秘にサヨナラする10カ条」にもはいっています。腸内を快適環境にし、定期的な排便をうながしてくれるのが最大の理由ですが、日本人にはもっと本質的な理由があるのです。 日本人の腸の長さ(小腸+大腸)は約9.2mです。欧米人はというと約7m。2.2mの違いはどこからくるのでしょう。それは食生活です。正確にいうと、植物性食品を中心とした食生活と動物性食品を中心とした食生活との差なのです。もちろん、狩猟民族、農耕民族などといわれるようになってから今日にいたるまでの、年月をかけて生まれた差異の話です。 植物性食品を中心とした食生活の人種は、食物繊維を多く含む食物性食品の消化・吸収に時間がかかるため、腸が長くなることで時間をかけて十分な消化・吸収ができるような消化管機構となりました。 
食物繊維は水溶性(SDF)と不溶性(IDF)とに大別できますが、世界的には食物繊維自体の定義はまだ統一されてはいません。共通していえることは「人間の消化酵素で分解されない難消化成分」ということです。食物繊維を含む食品の消化・吸収には時間がかかるわけです。
代表的なものとしては、植物に含まれるセルロース、ペクチン。甲殻類の殻に含まれるキチンなどがあげられます。 動物性食品を中心とした食生活の人種は、動物性食品の消化・吸収が植物性食品ほど時間がかからない、というよりも腸内が炎天下状態にあるなか、長く動物性食品を滞在させておくことの害悪のほうが問題で、腸が短く、できるだけ早く腐敗物を体外にだすような消化管機構となったようです。 では、植物性食品は腸内に長くとどまっても害悪はないのでしょうか? 十分な食物繊維があれば、腸内に善玉菌を増やし、悪玉菌を退治できます。腸内が炎天下状態にあるのは変わりませんが、食物繊維が腸内を快適環境にしてくれるおかげで、腐敗による心配を少なくできるわけです。また、廃棄物となった食物繊維は大腸、結腸内の移動を早めます。移動する際には大腸、結腸に付着したごみをからめとっていくお掃除屋さんでもあります。 ただし、「便秘」となれば話は別です。意識的に食物繊維をとるようにしたいのですが、日ごろの食生活を思いだしてみてください。日本人が長年食べてきた、いわゆる“和”の食生活が中心ですか? 戦後、日本人の食生活は急激に欧米型、いわゆる動物性食品が中心の食生活へと変貌しました。それだけでも、長い腸には負担をかけています。ましてそんな状態で「便秘」になれば……。 日本人の体質にあった食生活、植物性食品を中心とする“和”の食生活を心がけることが大切ですが、慣れ親しんだ食生活をそう簡単に切り替えられるものでもないでしょう。まして、動物性食品が大好きだとなれば、なおさらでしょう。「心がけ」は「心がけ」として、心がけましょう。 ただ、すぐにでも始められることがあります。それは、いまの食生活に「食物繊維を多くとる」ことをプラスすることです。「心がけ」は時間をかけて実現していくことでも構いませんから。日本人が1日に必要とする食物繊維は、少なくとも20〜25g。平均摂取量は約15gということです。 食物繊維を多く含む食品としては、カンテン(80.9g)、干しヒジキ(43.3g)、干しシイタケ(42.5g)、抹茶(39.2g)、切り干しダイコン(20.3g)、大豆(17.1g)などがあります(可食部100gあたり)。 欧米型の食生活で、食物繊維が不足すると、腸内には腐敗の害悪が心配される動物性食品の生ごみが長時間にわたって滞在することになり、腸の機能自体にも悪影響を及ぼします。便秘体質にも拍車をかけることになります。 さて、こうした体質にあわない食生活やストレスなどが原因で起きる便秘ですが、大きく「急性便秘」と「慢性便秘」とにわけられます。それぞれは、以下のように分類できます。 ★便秘の種類
急性便秘
- 慢性便秘
次回は、それぞれの便秘について、その特徴などをお話しします。 |