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<研究発表>

 これは、第二回日本環境ホルモン学会に発表されたものです。 
この報告に関する御意見、御感想をお寄せ下さい。

E-mail : smc-inet@mbox.kyoto-inet.or.jp
:guchi@pb3.so-net.ne.jp



  妊娠前−妊娠期の副腎皮質ホルモン外用は出生児の性比を減少させる
  Topical corticosteroid application to women with atopic dermatitis
  prior to conception and during the first trimester of pregnancy
  remarkably decreases the sex ratio of neonate males compared to
  females.
  島津 恒敏(島津医院アレルギ−科)、山口 典秀(恵明会クリニック)

 【目的】 日常治療薬として用いられている医薬品も内分泌撹乱物質とし
 て、何らかの環境ホルモン的影響をおよぼしている可能性があるが、催奇
 形性、発癌性などとくらべ、ほとんどあきらではない。
 なかでも副腎皮質ホルモン(CS)外用剤はステロイドホルモンそのもの
 として、経皮的に母体に取り込まれ、経胎盤的に胎児にも影響する。
 しかし、CS 外用剤は内 服薬とくらべ、殆ど無警戒に妊娠前、 妊娠期の
 女性にも連用されている。 これらCS 外用剤は何らかの環境ホルモン的影
 響を胎児にあたえている可能性がある。
 妊娠前期および妊娠中に外用された CS の胎仔に及ぼす影響の内、生まれ
 た子供の性比への影響について疫学的に検討した。
 【対象と方法】 1994年4月から1999年9月の間に両院外来を受診
 した成人女性アトピ−性皮膚炎患者4 2名を対象とし、妊娠前および妊娠
 中のCS 外用剤の使用の有無と出生した子供の性比を調べた。
 【結果】 妊娠前からCS を使用していた女性31人から生れた子供は、出産
 回数44回、45人で、うち男児3人(うち1人は死産)、女児42人であった。
 なお死産の男児1人は女児1人との双胎であった。
 他方、妊娠6ヵ月以上前から妊娠中もCS を全く使用しなかった女性18人
 から生れた子供は、出産回数21回、22人で、うち男児11名、女児11名であ
 った。うち女児2名は一卵性双胎であった。
 統計学的にはCS 使用により、有意(P=0.000056、Odds Ratio=14.0)に
 女児の出産が増加した。
 【考察】
 われわれ疫学的調査対象数は極めて少ない。しかし、統計学的には、妊娠
 前、妊娠初期の女性に対する CS の外用によって、生まれてくる子供の表
 現上の性は、有意に女性に傾くことがわかる。
 ちなみに、厚生省統計情報部人口動態統計による1997年度の出生児の
 性別統計では、男児610,000、女児580,000 で性比は1.05である。(表1参照) 
 現在、我が国では、副腎皮質ホルモン外用剤は年間軟膏換算で10億グラ
 ムも販売され、アトピ−性皮膚炎をはじめ、種々の皮膚疾患の治療に用い
 られている。
 もし、連日母親の皮膚に塗布されてきた CS がの胎児の性決定に影響を
 およぼすとすれば、受精後8−16週までの期間と考えられるが、
 glucocorticoid は抗estrogen様作用およびprogesterone様作用を持つほ
 か、androgen receptor の発現を抑制することも報告されている
 1)2)3)。
 阪神淡路大震災など激しいストレス下で(ストレスによる内因性の副腎皮
 質ホルモン分泌の持続的増加のもとで)妊娠した女性から生まれた子供の
 性比もわずかではあるが有意に低下することが報告

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