クリニックからのお知らせ : 花粉症外来を始めました。
アトピー性皮膚炎:日常生活の注意
その8;花粉について (これは、Dr赤ひげドットコムに連載したものです。)
花粉アレルゲンはスギやヒノキばかりではありません!! 最近増えている「ブタクサ」「ヨモギ」花粉の飛散は春だけじゃない 夏の終わりから秋も要注意!! お元気ですか。さて前回にひきつづき、アトピー性皮膚炎(以後アトピーと略す)の、1年を通じた悪化因子、その意外に気づかれていないものについてお話ししましょう。まずは花粉アレルゲンについてです。花粉アレルゲンといえばスギ花粉、ヒノキ花粉が有名ですが、最近はブタクサやヨモギなどによる悪化もみられるようになりました。 わたしの患者さんの話をしましょう。20代の女性ですが、上半身(顔、首、肘、手首)が中心のアトピーの患者さんですが、初診は3月ころでした。2カ月ほど悪戦苦闘の末、なんとか改善したのが5月中旬ころ。その後ずっと良い状態がつづき、もう大丈夫と安心していたところ、翌年の1月下旬から再び悪化してしまったのです。 この患者さんは、スギ花粉陽性でしたから、まちがいなくスギ花粉による悪化と考え、それなりに治療方針を変えて何とか対応しましたが、5月ころにはウソのようにきれいになったのです。この患者さんの場合、1~5月は集中的治療の時期で、6月から12月は良い状態を維持できる時期という具合に、時期によって治療方針を変える必要がありました。 もう1人。やはり20代の女性の患者さん。顔のなかでも、目の周りの湿疹がひどい人でした。同じくスギ花粉陽性で、1月になると悪化し、5月になると改善するというハッキリした周期があります。花粉の飛ぶ時期は以下のようになっています。その時期にアトピーが悪化するという人は、病院で一度検査をうけてみてください。その時期の悪化の原因が花粉であるとわかれば、対策をしぼることができますので、患者さんにとっても、医師にとっても一歩前進なわけです。 ◇花粉アレルゲンの飛散時期◇ ・ス ギ……1月中旬 ~ 5月中旬 ・ヒ
ノ キ…………3月 ~ 5月 ・ハルガヤ ………………4月 ~ 6月 ・カモガヤ …………………… 5月 ~ 7月 ・ブタクサ
…………………………………………8月 ~ 10月 ・ヨ モ ギ …………………………………………8月 ~ 10月 意外と見過ごされるのが ペットに生息しているダニ 環境因子として一番きをつけたいのはダニですが、そのなかで見落としがちなのが、ペットなのです。わたしの患者さんでも週末になると悪化するというお子さんがいました。最初はどうしても、原因がわからず、例によって、冷や汗たらたらの悪戦苦闘がしばらくつづいたのですが、よくよく聞いてみると、休みのときにはよくご両親の実家に泊まりいくとか。その実家では、家のなかで犬を飼っていました。 「そっ、それだ!!」と心密かに叫んだのはいうまでもありません。あきらかに悪化の原因だと判断できましたので、その実家にお願いをして屋外で飼うようにしてもらったところ、悪化しなくなりました。 自宅のフローリングやダニ対策はしっかりやっても、意外なところに悪化因子はひそんでいるものです。医師は名探偵シャーロック・ホームズや刑事コロンボではありませんが、患者さんとよく話し合い、悪化したときのことを分析・検討していくなかで、原因を推理、特定していくわけです。そのための現場検証までは、なかなかやろうにもできませんから、できるだけこと細かく患者さんがお話しくださるしかありません。必要に応じては、悪化したときに、その状態や周りの様子などを気がつくかぎりメモしておくこともおすすめします。それをもとに医師と話すなかで、もっといろいろなことを思い出すことも多いからです。人にみせてもはずかしくないように書こうなんて思わないでください。箇条書き、なぐり書きで結構です。ようはそれをもとに、患者さんが悪化したときのことをより正確に詳しく医師に伝えられることが第一なんですから。 万一、冗談にでも、字が読みづらいなどという医師がいたら、ぜひその医師に患者さん自身のカルテをみせてもらってください。きっとミミズがのたうちまわってますよ、多分ですが……。少なくとも、わたしはカルテ開示に賛成ですから、読んでもらえる字を書いてます!! ちょっと、はずれましたか、ハハハッ。 医師と患者さんの悪化因子探索の話し合いで、ステロイド剤の使用を減らしたりやめたりもできるのですから、問診はとても大切な治療手段なのです。 ある特定の家へ遊びにいく。あるいは、引っ越したらアトピーがひどくなったという症例では、必ず念頭においておかないといけないのがホルマリンです。かなり以前から住宅建材に化粧合板が多くつかわれていることは、ご存知ですよね。そのなかのホルマリンが気化して部屋に充満し、それをすうことで悪化したという人もいます。その患者さんは別の家に引っ越すことで、改善しましたが、アトピーが悪化しなくても、アレルギーを引き起こすきっかけになったとい症例も数多くみられます。最近ようやく認知されるようになった化学物質過敏症もそのひとつです。詳しくは別のサイトにゆずりますが、体に直接害をおよぼすほどではないにしても、微量の化学物質にふれることで、体がだるい。頭痛や吐き気がする。病院にいっても原因がよくわからないといった時期がかなりありました。最近でこそ病気としてみてもらえるようになったのですが、患者さんにとってはひどい話ですよね。本人が具合が悪いといってるのに、どこも悪くないなんて平気でいわれますとね。少しは申し訳なさそうに、「全力をつくしたのですが、わたしの力をもってしては、なんとも……」くらいの謙虚さは欲しいものです。あっ、別に言い訳をしてるのじゃありませんから、アハッ。 症状悪化は、原因究明の チャンスとポジティブに!! 化学物質過敏症。挙げ句は、それまでなんともなかったアレルゲンにたいし、反応するようになるケースもあります。いったん反応してしまうと、次ぎから次ぎへと違うアレルゲンに反応するようになるといった連鎖反応を引き起こすケースもありますから、家屋などにはいって多少なりとも体の変化、気分がおかしいとおもったら、まずは外にでてみましょう。気分が、体調がしばらくしてもどるようであれば、住宅建材に使用されている化学物質がうたがわしいでしょう。事情を話して、できるだけそうした場所は避けたいものです。ただこれも、個々人で反応に差がありますので、事情がだれにでも理解してもらえるとは限りません。やっかいなものです。
いずれにしましても、ここにあげたものだけでなく、アトピーは意外な原因で突然悪化することが多いといえます。ですから、悪化したときは逆に、アトピーの悪化因子をみつけるチャンスだと考えてください。そう、ポジティブに悪化前後の生活を調べ、医師と一緒に徹底的に悪化因子を探索することです。必ずわかりますから!! では、おだいじに!!
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