アトピー性皮膚炎:日常生活の注意その1;日光について
(これは、Dr赤ひげドットコムに連載したものです。)
アトピー性皮膚炎の患者さん気をつけて!!夏は“日光と汗”に御用心アトピーは医師にとっても まだまだ“未知との遭遇” 初めまして。私は東京都内の開業医です。専門はアレルギー。日本人の3人に1人はなんらかのアレルギー症状をもっているといわれていますから、これはもう医師として使命感に燃えないわけがありません。 とくにアトピー性皮膚炎(以後アトピーと略す)については、子どもだけでなく、高齢者にいたるまでのあらゆる年代層で症状がでるようになっています。大変なことです。 そこで、しばらくはアトピーについて、私の診察室での体験から、患者さんが日常生活で注意してほしいことを四季折々でまとめてみました。 アトピーは、なぜでるのでしょう。原因のいくつかはわかってきました。でも、完全にではありません。まだまだ未知の病気です。ですから、日常での注意事項といっても、学会レベルで認められている事柄は、ホント少ないのです。多くの誠意ある(?)医師は、私も含めて、冷や汗・極度の緊張のなか、患者さんの症状を見極めるのに必死です。とはいっても、患者さんに私のそんな七転八倒の心のうちを見すかされないように「大丈夫、大丈夫!!」と、安心感を与えつづけていますが……。 で、私の医師経験のすべてに照らして、「これが、いま、この患者さんにはベターだろう!!」と、判断したものを指導しているのが現状です。 なぜ、「いま、この患者さん」なのか。おいおい理解していただけると思いますが、アトピーは個人差がとっても大きく作用する病気なのです。ある人に有効だったから、あなたにも有効というわけにはいかないのです。ですから、このコーナーの、「患者さんが日常生活で注意すること」は、私が患者さん個人個人を診察して、治療法を決める以前の話です。これで治るというものではありませんが、役に立つはずです。 前置きが長くなりました。アトピーの話に入りましょう。 治療の現場で大切なのは 第1に、患者さんのQOL アトピーの患者さんにとって、夏に気をつけなければいけないのは、日光と汗です。 夏休みは、子どもにとっても大人にとっても、うれしいもの。子どもは夢中でせみ採りや川遊びを楽しみます。ほんとかなあ……。 私のところにも子どもの患者さんが多くきます。とくに中学生・高校生は、部活でスポーツをしている子も多く、6月くらいまで落ち着いていた炎症が、夏に一気に悪化して私のところに飛びこんでくるのです。悪化の原因は、明らかに日光と汗。 なかには、1日7時間も炎天下で練習しているという、まさに“スポコン”患者さんもいます。さすがにそんな患者さんには、「部活を休むなり、やめるなりしないと治らないぞ」という言葉が、口からでそうに。 でも、“好きなことに打ちこみながら、そういった日常をできるだけ崩さずに病気を治す”というのが、私の治療方針ですから、その言葉をいつもグッとガマンしています。 事実、湿疹は悪化しても、診察室へ入ってくるその患者さんの表情はイキイキしてるんですね。QOL(Quality
of Life=生活の質)に通じる方針ともいえるのですが、私自身はガマンです、なんてね。 日光で悪玉なのは赤外線 悪化の原因の日光ですが、どうも誤解されています。「悪玉日光=悪玉紫外線」と、思いこんでいませんか。 「UV(紫外線)カットのクリームをぬっていいですか」「UVカットの商品はどのメーカーのがいいですか」という質問をよく受けます。もちろん患者さんからです。 実は、悪玉なのは赤外線なのです。紫外線は「紫外線療法(PUVA療法)」というのがあるくらいで、湿疹にとっては善玉なのです。 赤外線による温熱効果が、湿疹を悪化させるわけです。アトピーの患者さんは、そうでない人にくらべ、汗をかきにくいといわれます。赤外線で温まった皮膚の熱を汗で効果的に発散できず、湿疹を悪化させるのです。 私は、保冷ポットに氷りとタオルをいれておき、なるべくマメに患部を冷やしなさい、とアドバイスしています。 最近は、冷凍庫で冷やして使える商品もいろいろでています。上手に使うことを工夫してください。 いずれにしても、夏場の日光には長時間あたらないようにしたいんですがね……。 次回は汗のお話です。人に聞けない(?)箇所の汗対策もアドバイスしますね。 では、おだいじに!!
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