更年期障害(その3)

●病気と健康 ● 連載 よそではきけない漢方の話 

 
  
 
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みなさんこんにちは。

このところ気温がとっても不安定ですね。冬のように寒い日が続いたかと思うと、30℃を越すような真夏日になってみたり。日本列島も更年期なんですかねぇ。ということで、更年期障害ののぼせやほてりにはズバリこの漢方!

 

       加減一陰煎(かげんいちいんせん) 

           (出典「景岳全書」)

 

処方構成

    熟地(じゅくじ) 白芍(びゃくしゃく) 麦門冬(ばくもんどう) 

    生地(しょうじ) 知母(ちも) 地骨皮(じこっぴ) 甘草(かんぞう)

 

 

構成生薬の働き

熟地(じゅくじ)白芍(びゃくしゃく)麦門冬(ばくもんどう)不足した陰(水分という意味も含む)を補う生薬です。

 

熟地(じゅくじ) 生地(しょうじ)

 

これらの中で、熟地は特にポイントになる生薬です。カイケイジオウの根を乾燥し酒を入れて蒸したあと日干しにしたもので、こうすることによって陰や血を補う力(水分、血液、栄養素などの不足を補う作用と思ってください。)を増強させます。

これに対して、生地はカイケイジオウを単に乾燥させただけで乾地黄(かんじおう)ともいいます。こちらは、陰を補うというよりも熱をとったり炎症を鎮めたりということが得意なため「清熱薬(せいねつやく)」と呼ばれます。

同じ植物の同じ部位でも手を加えることによって全く異なった薬効になるなんてイヤー、漢方ってホントにおもしろいもんですね。

 

白芍(びゃくしゃく)

 

白芍は芍薬の根です。「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花。」でおなじみの芍薬です。ちなみに牡丹も百合も生薬になります。

さて、この芍薬からは白と赤の二種類の生薬が作られるんですね。根っこの外皮を取り去ると白い芍薬で、取らないと赤い芍薬です。もちろん薬効も全く違っていて白芍(びゃくしゃく)陰や血を補う作用が主ですが、赤芍(せきしゃく)清熱薬(せいねつやく)熱をとったり炎症を鎮めたりする作用)、活血薬(かっけつやく)血液の循環を改善する生薬)として活躍します。

 

実はわたくし白芍(びゃくしゃく)が大好きです。みずからが非常に有能な生薬なのに決して先頭に立たず、ボスの仕事を支えて大きな仕事を遂行するんです。

柴胡(さいこ)といっしょに仕事をすると、ストレス性の胃炎や胃潰瘍に力を発揮しますし、当帰(とうき)を補佐することで生理不順、生理痛の妙薬になります。さらに甘草(かんぞう)と結びつくことで、足の筋肉がつるいわゆる「こむらがえり」に効果を発揮します。

ボスにより様々に自分の役割を変えてキッチリ仕事をこなす。有能なんだけど決して自己主張をしないbQのカガミ!いいですね。



写真提供
帝京大学薬学部創薬資源学教室
木下武司先生

 

麦門冬(ばくもんどう)

 

夏、庭先に小さな白い花を咲かせる「じゃのひげ」という植物があります。別名「龍のひげ」ともいい、秋が深まる頃、青く小さな玉のような実をつけます。庭先にひっそりと咲く「じゃのひげ」。その「じゃのひげ」の根っこを乾燥したのが麦門冬(ばくもんどう)です。

これも陰を補う「補陰薬」の代表選手ですね。慢性気管支炎で粘っこい痰がなかなか切れずに、ゴホンゴホン咳き込んでいるような時には必ず使われます。皆さんも麦門冬湯(ばくもんどうとう)というエキス剤を飲んだことがあるかもしれません。              

 


写真提供
帝京大学薬学部創薬資源学教室
木下武司先生

 

 

ご注意

このコーナーは中医学の啓蒙が目的です。実際に症状でお困りの場合、あるいはここで取り上げた漢方薬を服用される場合は、必ず医師にご相談下さい。

 

 

 
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