更年期障害(その1)

●病気と健康 ● 連載 よそではきけない漢方の話 

 
  
 
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女性は40代になると女性ホルモン(エストロゲン)を作っていた卵巣が衰えその働きを止めます。この前後の時期を更年期といい、のぼせ、発汗、動悸、冷え、不眠、イライラなど日常生活に影響を及ぼすような様々ないやな症状が出現します。これが更年期障害です。

今回は特にのぼせ、ほてり、発汗に的を絞り中医学ではどのように考えているのかをお話しましょう。現代医学的な説明は

http://www2u.biglobe.ne.jp/~drt/konenki_web_nm/konenki_shogai/konenki_shogai.htm

によくまとまっていますのでそちらをご覧下さい。

 

メカニズム =  陰虚陽亢 (いんきょようこう)

 

またへんてこな四字熟語がでてきましたね。この言葉の意味を理解するにはまず陰陽(いんよう)のことを知らなければなりません。

 

陰陽(いんよう)とは

 

陰陽は古代中国の基本的宇宙観です。古代中国で発達した思想・学問は占いや宗教にいたるまですべてこの基本原理の上に成り立っています。

何年か前に陰陽師という超能力者の物語がはやったので、漢字については皆さんご存知かもしれません。ただし、陰陽師の場合は「おんみょうじ」と読みますが、こちらは「いんよう」と読んで下さい。

 

さて陰陽の説明ですが、一言で言うと「一切の事物はお互いに補い合う陰と陽に分けることができる。」ということなのですが、何のことかわからないでしょうから例を挙げますね。

一日をふたつに分けてみましょう。そう、昼と夜です。この時、昼は陽で、夜は陰です。そしてお互いに相手がいないことには自分も存在できません。つまり昼があってはじめて夜があるわけだし、夜があるからこそ昼が存在可能なわけです。

さらに、陰陽はじーっと静止しているのではなく、絶え間なく変化するものです。

朝日が昇り物事が活発に動き始める時、夜は私たちの前から姿を消します。やがて昼の力が衰え夕日が西の空を美しいオレンジ色に染める頃、夜は再び姿をあらわし、今度は昼が私たちに背中を向けて遠ざかって行きます。このように陰と陽は絶え間ない変化のなかにいるのです。

 

この陰陽、中医学に使われる時には固有の意味を持ちます。

中医学でがどうしたこうしたという文章が出てきた時には、これは体内の物質について説明しているんだなあ、と思ってください。

筋肉やお肌などを形作っている無数の細胞たちだけでなく、蛋白質・アミノ酸・電解質・糖・ビタミンなどの栄養素、さらにはホルモン・サイトカイン・神経伝達物質など様々な生理活性物質、これら形あるものはすべてのカテゴリーに入ります。

 

これに対してエネルギーや機能を意味します。つまり目に見えないもの、形のないものですね。

大脳皮質の神経活動、脊髄から末梢神経を通って筋肉に至る神経インパルス、細胞のなかで糖と酸素から生み出されるわたしたちのエネルギー(これは厳密に言うとATPという物質の形で蓄えられますが…。) これらはというカテゴリーに入ります。

中医学で陰陽ということばが出てきたら頭の中で、フムフムは物質では機能だな、と読みかえてみてください。きっと説明がスッと理解できると思いますよ。

ただし時に、=熱=冷え・水分を指していることがあるので注意が必要です。これは前後の文脈から判断しなければなりません。さて今日はここまで。次回はいよいよ本題に入ります。

 

ご注意

このコーナーは中医学の啓蒙が目的です。実際に症状でお困りの場合、あるいはここで取り上げた漢方薬を服用される場合は、必ず医師にご相談下さい。

 

 

 
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