第4話 2/2頁

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★疲れているのに眠れない場合は「帰脾湯(きひとう)」

・症状例 : なかなか寝つけないうえに眠りが浅くて、うとうとしたかと思えば何かに怯えたようにハッと目が覚める。胸がドキドキしている。いろんな夢をみているようだけど、思い出せない。ドキドキの原因は別に怖い夢を見たからというわけではなさそうだけど、いつも不安な気持ちの寝起きがつらい。貧血ぎみだから顔色も悪く、寝起きの自分を鏡で見ると、ますます疲労倦怠感がつのってしまう……。

・フォーミュラ : 黄耆(おうぎ)12g、人参(にんじん)12g、白朮(びゃくじゅつ)9g、茯苓(ぶくりょう)10g、炙甘草(しゃかんぞう)5g、当帰(とうき)10g、竜眼肉(りゅうがんにく)10g、酸棗仁(さんそうにん)10g、遠志(おんじ)10g、木香(もっこう)5g、大棗(たいそう)3個、生姜(しょうが)6g

 ★眠れないだけでなく、常にイライラしている場合は「加味帰脾湯(かみきひとう)」

・症状例 : 疲労も度を越すと怒りっぽくなってくるのか。些細なことですぐにキレてしまう。いつもキレたあとで「何で、あんなことでキレたのか?」、自分でもよくわからない。で、またくよくよと考えて、眠れない、疲れて仕事にならない、恋どころではない……。でも、キレる瞬間は、いつも「自分が正しい」と無意識に判定がくだっているのは何故か。ホントは「疲れているのだから、そっとしておいて!!」といいただけ!?

・フォーミュラ : 黄耆(おうぎ)3g、人参(にんじん)3g、白朮(びゃくじゅつ)3g、茯苓(ぶくりょう)3g、炙甘草(しゃかんぞう)1g、遠志(おんじ)2g、大棗(たいそう)2g、当帰(とうき)2g、酸棗仁(さんそうにん)3g、竜眼肉(りゅうがんにく)3g、木香(もっこう)1g、生姜(しょうが)1g、柴胡(さいこ)3g、山梔子(さんしし)2g

★秋口の夏バテからくる慢性疲労などの場合は「清暑益気湯(せいしょえっきとう)」
   

・症状例 : 昨年の夏は恋もしたしで、大いに充実したのは良かったが、夏の終わりとともに恋も終わり、悲恋の歌詞のような秋から冬。そんな私の心が素直に体に反応したのか、いわゆる夏バテ。「病は気から」とは良くいったものだと、悲しいながらも納得していたら、春がきて、また夏がきて……。「そんなバカな、いまだに夏バテ?」。ノドが乾くので水をよく飲むせいか下痢ぎみの毎日、疲労倦怠感に悩まされ続けている。

・フォーミュラ : 黄耆(おうぎ)3g、人参(にんじん)3.5g、蒼朮(そうじゅつ)3g、甘草(かんぞう)1g、陳皮(ちんぴ)3g、当帰(とうき)3g、麦門冬(ばくもんとう)3.5g、五味子(ごみし)1g、黄柏(おうばく)1g

「補気・益気」こそが、「慢性疲労」改善の第一手段!!

今回紹介した6つのフォーミュラに共通していることは、いずれも「補気」あるいは「益気」をうながすということで共通しています。以前紹介したように 気(チ−)は、仮想的な物質ですが生体活動のエネルギーとなるものです。それはすなわち、免疫力といいかえることもできます


この気(チー)を補う、あるいは増やすことが「慢性疲労」では何よりもまず大切なことなのです。「補気・益気」を前提として、個々人の体質、症状ごとの細かなフォーミュラが組み立てられていきます。「慢性疲労」を「たかが疲れ」と思わないでください。ドクターにもまだまだそういった捕らえ方をする人がいることは、前述のNさんの例でもわかります。

免疫力のレベルで捕らえなくてはいけない症状が「慢性疲労」なのです。免疫力のレベルの問題ということは、「慢性疲労」だけの問題ですまなくなることも予想されます。「慢性疲労の自覚症状のある方は、少しでも早く、「補気・益気」の具体的な対策をこうじてください。まずは信頼できるTCMドクター、あるいは漢方薬局で相談してみることをお勧めいたします。

●次回予告●
 慢性疲労を改善させる「気(チー)を補う・増やす」とは。「人間」のための医療、TCMの世界への旅がいよいよ始まります。乞うご期待!!


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