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  実践「フィトスキンケア(植物美容)」 (1)

こころとからだを和ませる
ハーブの代表「ラベンダー」


みなさんは“リラックスのためのハーブ”といわれたときに、こころに浮かぶものはなんですか?

 ……おそらく、多くの人は真っ先に“ラベンダー”という名前が浮かぶのではないでしょうか。

 いまやラベンダーは、その香りの良さと強いリラックス作用で、わたしたちのこころとからだを和ませてくれるたくさんのハーブの代表となっています。

 原産は地中海沿岸とされる背丈が50〜60cmのラベンダーは、標高800〜1400mのひじょうに乾燥した岩地で元気に育ちます。気が遠くなるほど永い人類の歴史のいろんなシーンにおいて、幅広い目的で……時代背景によってもさまざまですが、治療、魔よけ、家事(洗濯、防虫)、そして香水など……ラベンダーと人は関わり続けてきました。

 古代ローマ人は、大浴場に大量にもちこんで、香りのよい衛生的な入浴を楽しみました。中世ヨーロッパでは、疫病対策として病院や教会の床に敷きつめたり、薫蒸して空気を浄化したりしました。近代では、戦火に負傷した兵士のために殺菌作用、消炎作用、創傷治癒作用のある精油が使われたこともありました。

 疫病や火傷、怪我などに対する効果だけではありません。疲れきった気持ちや深い悲しみ、こころに負った傷をも、ラベンダーの香りが癒してくれたことでしょう。ラベンダーは窮地に立たされた人間をその効力と穏やかでやさしい香りで、幾度となく救ってきたのです。

 紫色の小さな花を穂状に付け、心休まる隠れ家のような茂みを作るように密集して咲くこのラベンダーと、そこから生み出されるわずかに草やフルーツのような香りを含んだ、甘く爽やかで繊細でありながらどこか無邪気な存在感のある独特の芳香は、いまも変わらず、わたしたちに恩恵を与えてくれます。

 ラベンダーの芳香成分は、主にリナロールと酢酸リナリルです。スキンケアに応用すれば、あるときは肌にできた傷を殺菌して組織の修復を、またあるときは炎症を鎮め治癒を促すとされています。オールスキンタイプといわれ、にきびや皮脂の過剰分泌によるトラブル、日焼けでダメージを受けたデリケートな肌や乾燥で荒れた肌など、あらゆる状態に安心して使えることで有名です(注1)。

 さらに、ラベンダー(注2)のもつ強い鎮静作用と安眠作用は、こころとからだの美をつくるために不可欠な質のよい睡眠を促してくれます。ストレスや不安でなかなか寝付けないときは、大さじ約1杯のラベンダー(乾燥ハーブ)をカップに入れて熱湯を注いだり、精油を枕元に一滴垂らしたりして、香りを楽しむと良いでしょう。ここちよい眠りへと誘ってくれますよ。

 


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