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リンデン(Linden)

●美容とダイエット ● 手島佐枝子の実践「フィトスキンケア(植物美容)」  第 6回

フィトスキンケアは、植物がもつ肌のケア、美容に効果のあるパワーを見つけだし、上手に活用することで、からだにやさしいナチュラルなスキンケアを実現するものです。このコーナーではフェイシャルケアだけでなく、入浴やデオドラントなどのボディケアへの応用も紹介していきます。基本的には外用が主となりますが、取り上げる植物によっては、お茶や芳香としての利用も紹介していきます。家庭で手軽にできる簡単レシピをこころがけます。お楽しみに!!
 
   
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リンデン(別名/セイヨウシナノキ、セイヨウボダイジュ、ライムツリー)

学名 Tilia europaea
科名シナノキ科
成分粘液質、フラボノイド、タンニン、精油など
作用保湿作用、消炎作用、収斂作用など
入手できる
形態
乾燥ハーブ、(精油)
  
 
   
   
 

ダメージ肌や刺激でかゆい肌のケアに、リンデンのローションパック

北半球の温帯地域に広く分布しているリンデンは街路樹としてもお馴染みで、セイヨウシナノキやライムツリーなどとも呼ばれます。高さ40メートルほどにまで育つ大木で、優しいグリーンの色合いのハート形のような葉をたくさん茂らせます。一方でこの樹の大きな葉の間に守られるようにして咲く花は、樹の存在感からは想像できないほどとても小さく、まるで草原に咲く華奢な花のようなかわいらしさがあります。

リンデンは花とその付近につく葉、そして木部(樹皮を剥いだ白木の部分。リンデンウッドとも呼ばれます)が入手できますが、ここでは花と葉のスキンケアへの応用をご紹介します。

このハーブはフラボノイドや粘液質を多く含むほか、タンニンやフェノール酸などを含み、保湿作用や穏やかな収斂作用が期待できます。乾燥肌や脂性肌、脂性混合肌などのケアや日焼けなどでダメージを受けた肌や刺激によりかゆみの出ている肌のケアにおすすめです。

また、この植物は精油成分も含まれ、わずかに甘く酸っぱい蜜のような香りがします。精油(※1)を入手するのは困難ですが、自分で植物油に漬け込んで脂溶性成分を抽出させた浸出油(※2)を作ることはできます。

精油のような甘く優しい香り・・・まではいきませんが、ほんのり甘い草のような優しい香りが楽しめます。これをマッサージオイルや手作りクリームのための油性基材として応用します。 

内用(お茶)の話になりますが、リンデンのハーブティーは風味にクセが少なく、シングルでもブレンドでもおいしくいただけます。働きとしては利尿作用や発汗作用、そして神経の緊張を緩和する作用があります。睡眠を助けるため、不安による不眠や緊張性の痛み(頭痛、生理痛など)に対して効果が期待できます。このほかには高血圧や風邪、インフルエンザのケアにも大活躍します。

何かと応用の幅が広いリンデンですが、スキンケアはもちろん、日ごろの心身のケアのためのハーブとしても是非使ってみてください。

※ 1 リンデンの精油(ほとんどの場合、溶剤抽出法によるアブソリュート)も入手できますが、取り扱いが非常に少なく、また大変高価です。ほんのりと甘く、まるでやさしく包み込んでくれるお母さんを思わせるような温かみのあるゆったりとした雰囲気で、非常に上品な香りがします。鎮静作用、緩和作用など神経系への働きかけが強いのが特徴です。

※ 2 清潔なジャムビンなどにリンデンのドライハーブを入れ、続いて植物油(サンフラワー油やスィートアーモンド油など)をビンの肩口くらいまで注ぎます。蓋をして温かい場所に2週間ほど置いて成分を溶出させます(毎日ビンを1〜2回よく振ります)。2週間経ったら無漂白のコーヒーペーパーフィルターや数枚重ねたガーゼで濾し、浸出油を遮光ビンに保存します(3ヵ月くらいを目安に使い切ってしまいましょう)。 ☆120mlのジャムビンに対し、リンデンは20g程度。植物油は100ml前後使用します。

 
   
   
 

今回はリンデンの濃いハーブティーで作るローションパックをご紹介いたします。洗顔を済ませた清潔な肌にたっぷり、そしてゆっくりとしみこませてください。

   ★リンデン効果

  • 保湿作用や穏やかな収斂作用
  • 利尿作用や発汗作用
  • 神経の緊張を緩和する作用
  • 安睡を促す
  • 不安による不眠や緊張性の痛み(頭痛、生理痛など)に対して効果
  • 高血圧や風邪、インフルエンザのケア
  • スキンケア

 

◇リンデンのローションパック

・材料(約1回分)

  • リンデン(ドライハーブ)(※1)  3g
  • 熱湯  100ml
  • ハチミツ  小さじ1/2
  • コットン  数枚(パックする部分に必要な枚数を準備してください)

    ※1 ホールの状態のものは非常に扱いにくいため、使用する直前に清潔なハサミなどで細かくカットすると良いでしょう。

・作り方

リンデンに熱湯を加えて15分ほど放置し、濃いハーブティーを作ります。茶漉しなどでこした抽出液にハチミツを加え、かき混ぜてできあがりです。

・使い方

顔や入浴直後の清潔な肌に使います。コットンにローションパックをしみこませて軽く余分な水分を落とし(肌にのせてたれない程度にたっぷり)、パックしたい部分にのせていきます。10分ほど放置したらコットンをはずし、肌に残ったローションを手でやさしくなじませるか、清潔なタオルで軽く押さえます(※2)。その後はすぐにクリームや乳液で保湿してください。

※2 ハチミツを入れているため、しっとり感が強くなります。べたつきを感じるようであれば、加える量を少し減らすか、そのままのレシピで行われた場合は一度、軽くぬるま湯で流してください。

(注)

保存は利きません。作った分はその日のうちに使い切ってください。

 
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●注意、免責事項●

  • 精油(=エッセンシャルオイル)とは、植物の花・葉・実・根などを水蒸気蒸留して得られる100%天然の芳香物質です。精油は非常に濃縮された状態になっているため、原液や高濃度での皮膚への使用は大変危険です。ここでは精油の使用量を、手作りするアイテムの全体量の1%以内にとどめています。けっして、自己判断で精油の使用量をレシピ以上にしないでください。
  • 火やペット、乳児、子供のそばで取り扱わないでください。
  • ここに掲載する手作りスキンケアのための素材ならびにレシピは、いずれも安全な範囲内と判断される内容で紹介していますが、体質や肌質によっては合わない場合があります。
  • 材料の購入、作製、使用、保存はすべてご自身の責任において行ってください。作製に使用する器具、容器などは、人やペット、環境への衛生管理についてもご自身の責任において行ってください。
  • 目安の保存期間内であっても、異物が見えてきたり、異臭などがしてきた場合はすぐに使用を中止し、破棄してください。
  • 乳児、子供、お年寄り、妊婦、既往症のある方など、身体が虚弱・敏感な方や疾患がある方、病後の方の場合は、自己判断では絶対に使用せず、専門家や医師、薬剤師に確認してください。
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●手島佐枝子(てじま・さえこ) プロフィール

日本大学農獣医学部農芸化学科卒。

“Aromatherapy Room Frangipani(フランジパニ)”が活動拠点。現在は、ハーブなどの植物を活用することで可能な、個々人に合った心身のバランスの取り戻し方などをテーマに研究・活動をおこなっている。また、アロマテラピストの教育指導をはじめ、アロマテラピー・ハーブの一般向け講座なども精力的にこなしている。

日本アロマテラピー協会認定アロマテラピスト。メディカルハーブ広報センター認定ハーバルケア・インストラクター。NHK文化センター講師。


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