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ジャーマンカモミール(German Chamomile)

●美容とダイエット ● 手島佐枝子の実践「フィトスキンケア(植物美容)」  第 4 回

フィトスキンケアは、植物がもつ肌のケア、美容に効果のあるパワーを見つけだし、上手に活用することで、からだにやさしいナチュラルなスキンケアを実現するものです。このコーナーではフェイシャルケアだけでなく、入浴やデオドラントなどのボディケアへの応用も紹介していきます。基本的には外用が主となりますが、取り上げる植物によっては、お茶や芳香としての利用も紹介していきます。家庭で手軽にできる簡単レシピをこころがけます。お楽しみに!!
 
   
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ジャーマンカモミール (別名/カミツレ、ガーデンカモミール)

学名 Matricaria recutita
科名キク科
成分フラボノイド、トリテルペン酸、脂肪酸、タンニンなど
作用保湿作用、消炎作用、血行促進作用など
入手できる
形態
乾燥ハーブ、精油
  
 
   
   
 

代謝を高め、血行のよい美肌をつくる、ジャーマンカモミールのバスハーブ

ラベンダーと並んで、誰もが一度は耳にしたことがあるほど有名なカモミール。このカモミールには“ジャーマン”種と“ローマン”種がありますが、今回はジャーマン種(ジャーマンカモミール)をご紹介いたします。

ジャーマンカモミールは、ヨーロッパを原産とする1年草(または2年草)です。春になると鳥の羽のように軽やかでみずみずしい葉を茂らせ、細い茎を四方八方に伸ばします。夏には小さな花をたくさん咲かせ、リンゴに似た香りを放ちます。

小さな花ですが、“大きな力”をジャーマンカモミールの花はもっています。その力を利用して、多くの人の病気を治したという歴史は、古代エジプト時代にまでさかのぼります。熱を下げ、痛みや炎症を鎮めるほか、神経を安定させたり身体を温めたり、婦人科系の不調などにも利用されています。小さいお子さんからお年寄りまで、安心して使える優しいハーブのひとつでもあります。

学名にある「Matricaria」は、ラテン語の「mater(母)」、「matrix(子宮)」に由来するといわれ、母と子のためのハーブとしても親しまれてきました。

日本でハーブティーや入浴剤としておなじみのカミツレは、実はジャーマン種のカモミールのこと。日本には室町時代に渡来しました。

フレッシュなジャーマンカモミールのハーブティーや入浴剤は、本当にゴージャスで香りのよいものです。湿度さえ気をつければ元気に育ち、たくさんの花を咲かせてくれますので、ぜひご家庭でも育ててみてください。寒さに強く、冬を越すと日当たりのよい場所なら50〜60cmほどの背丈に成長します。

このジャーマンカモミールのドライハーブにはフラボノイドや粘液質、精油などが含まれ、肌に用いればカユミを鎮めしっとりと保湿します。ダメージの大きい肌のケアはもちろん、敏感肌のケアにもおすすめです(注1)

インクのような濃いブルー〜深いグリーンの特徴的な色をしたこの精油には、非常に強い炎症作用を示すカマズレンやビサボロールなどが含まれています。カマズレンは生花やドライハーブ中には存在せず、精油を抽出する過程(水蒸気蒸留法)で生成される成分です。精油成分のマトリシンが、蒸留することで青色のアズレン誘導体、カマズレンに変化します。

したがって、消炎を目的として使用する場合には、精油を使用するか、熱湯で抽出したものを使用する必要があります。

少々濃くだしたカモミールティーをローションの代わりに使ったり、ドライハーブを電動ミルなどで細かいパウダー状にしたものを適量の熱湯で練ってペーストを作り、肌にパックしたりしてもよいでしょう(10〜15分程度、そのあとぬるま湯で軽くすすいで、ローションやクリームで肌を整えます)。

また、この精油は高価ですが、強い消炎作用が期待できるため、ニキビや荒れなど肌に炎症を起こした際のケアに、ぜひ使いたい精油のひとつです。化粧品の成分としてカミツレエキスがあります。乾燥による肌荒れ、ニキビなどで傷んだ肌の消炎や保湿を目的として、多くのスキンケア製品に配合されています。

最近では、シミ、ソバカスの生成を抑える働きがあるとして、美白を目的とする化粧品にも配合されるようになりました。

 
   
   
 

ストレスで眠れないときは、ハーブティーに

ジャーマンカモミールの精油の香りは独特で強く、とてもリンゴに似た香り(ジャーマンカモミールの花の香り)とはいえませんが、薄めるとほんわかとした干草のような、どこか懐かしいぬくもりのある香りがします(注2)。どうしても、この香りが苦手で使いにくい場合には、他の精油(例えばラベンダー…第1回目をご覧ください…)と一緒に使用してみることをおすすめします。

ストレスなどにより胃が痛むときや眠れないときには、このハーブティーを飲んでゆっくり休みましょう。痛みを鎮め、身体を温めてダメージを受けた心身を修復する手伝いをしてくれます。また、心を落ち着かせ、深く穏やかな眠りへと誘ってくれますよ。

(注1)

キク科アレルギー(ブタクサ、アスターなど)のある方は、カモミールにもアレルギーを起こす場合があるといわれています。

(注2)

最初は、独特な絡みつくような香りを苦手と思うかもしれません。一度そう感じてしまうと、なかなかその精油ビンのふたを開けないものです。それはとても残念なこと。私たちが精油に歩み寄らなければ、精油は私たちに力を貸してはくれないからです。ぜひ植物油などで低濃度に希釈したものを、ゆっくりと嗅いでみてください。心安らぐ香りに出会えると思いますよ。


今回はジャーマンカモミールのドライハーブで簡単に作れる、発汗を促し代謝を高めて血色の良い健康な肌作りを手伝ってくれるバスハーブ(入浴剤)をご紹介します。 

   ★ジャーマンカモミール効果

  • 熱を下げ、痛みや炎症を鎮める
  • 神経を安定させ身体を温める
  • 婦人科系の不調などに効果
  • カユミを鎮めしっとりと保湿
  • 強い消炎作用が期待できるため、ニキビや荒れなど肌の炎症にも効果
  • ストレスなどによる胃の痛み、不眠に。痛みを沈め、心を落ち着かせる

 

◇ジャーマンカモミールのハーブバス

・材料(1回分)

  • ジャーマンカモミール(ドライハーブ)  1/2カップ
  • 天然塩  大さじ2杯
  • ガーゼ  30cm×30cmのもの2〜3枚(または市販されている大判のお茶パック1枚)
  • 無農薬のカンキツ類の皮  1/2〜1個分(ミカン、レモン、ライム、ユズなど、あればで結構です)

・作り方

ジャーマンカモミールと天然塩、そして、あればカンキツ類の皮を、2〜3枚重ねたガーゼにのせ、中身がこぼれでないように巾着のように紐で結びます。
 カンキツ類の皮は、香りがでやすいようにあらかじめ小さくちぎって加えます。

・使い方

湯船にお湯を溜めるとき、または入浴時にガーゼごと浴槽に入れます。成分と香りがお湯に広がるように軽くもみだします。
 やや低めの温度(39〜40度)で、ゆっくり(10〜15分)浸かりましょう。

 
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●注意、免責事項●

  • 精油(=エッセンシャルオイル)とは、植物の花・葉・実・根などを水蒸気蒸留して得られる100%天然の芳香物質です。精油は非常に濃縮された状態になっているため、原液や高濃度での皮膚への使用は大変危険です。ここでは精油の使用量を、手作りするアイテムの全体量の1%以内にとどめています。けっして、自己判断で精油の使用量をレシピ以上にしないでください。
  • 火やペット、乳児、子供のそばで取り扱わないでください。
  • ここに掲載する手作りスキンケアのための素材ならびにレシピは、いずれも安全な範囲内と判断される内容で紹介していますが、体質や肌質によっては合わない場合があります。
  • 材料の購入、作製、使用、保存はすべてご自身の責任において行ってください。作製に使用する器具、容器などは、人やペット、環境への衛生管理についてもご自身の責任において行ってください。
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●手島佐枝子(てじま・さえこ) プロフィール

日本大学農獣医学部農芸化学科卒。

“Aromatherapy Room Frangipani(フランジパニ)”が活動拠点。現在は、ハーブなどの植物を活用することで可能な、個々人に合った心身のバランスの取り戻し方などをテーマに研究・活動をおこなっている。また、アロマテラピストの教育指導をはじめ、アロマテラピー・ハーブの一般向け講座なども精力的にこなしている。

日本アロマテラピー協会認定アロマテラピスト。メディカルハーブ広報センター認定ハーバルケア・インストラクター。NHK文化センター講師。


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