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エルダー(Elder)

●美容とダイエット ● 手島佐枝子の実践「フィトスキンケア(植物美容)」  第 3 回

フィトスキンケアは、植物がもつ肌のケア、美容に効果のあるパワーを見つけだし、上手に活用することで、からだにやさしいナチュラルなスキンケアを実現するものです。このコーナーではフェイシャルケアだけでなく、入浴やデオドラントなどのボディケアへの応用も紹介していきます。基本的には外用が主となりますが、取り上げる植物によっては、お茶や芳香としての利用も紹介していきます。家庭で手軽にできる簡単レシピをこころがけます。お楽しみに!!
 
   
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エルダー (別名/セイヨウニワトコ)

学名 Sambucus nigra
科名スイカズラ科
成分フラボノイド、トリテルペン酸、脂肪酸、タンニンなど
作用保湿作用、消炎作用、収斂作用、抗酸化作用など
入手できる
形態
乾燥ハーブ
  
 
   
   
 

敏感になった肌をケアする、エルダーのフェイシャルスチーム

古くからヨーロッパでは、大変なじみの深いエルダーには精霊が宿っていると信じられ、多くの伝説や迷信が残されています。人々はエルダーを非常に神聖な木として接してきました。

西アジアを中心に、温帯地域に広く分布するエルダーは、5mほどの高さに育つ落葉低木です。春になると黄緑色の新芽が顔をだし、やがてにぎやかな緑の若葉におおわれます。春の終わりころには、遠くからだと、葉の間からのぞく花は、淡いクリーム色のふわふわとしたホイップクリームのように見えます。間近で見ると、それはそれは小さな小さな花の集まりであることがわかります。

この時期、エルダーのまわりの空気がとても肌触りのよいものに感じます。小さいながらも粒のそろった、形の良い一つひとつの花から微かに放たれるやわらかい香りの妖精が、お互い手をつないで空中を舞っているかのようです。

エルダーは全てに薬効があるとされ、古くから「庶民の薬箱」として、大切にされ、多くの病気を治してきました。現在では主に花と果実を使用しています。花に含まれる主な成分はフラボノイド、トリテルペン酸、脂肪酸、タンニンなどです。古くから風邪やインフルエンザの症状(発熱、カタル、咽頭部の炎症)を和らげたり、精神的な不安や緊張を鎮めたりするために内服されています。 

また、皮膚の火傷や切り傷、炎症用に、ローションや軟膏の原料として外用もします。スキンケアへの応用としては18世紀、エルダーの花を蒸留して得られたエルダーフラワーウォーター(Aqua Sambuci)を美白ソバカスの除去シワの予防などのために使用していたようです。

非常に穏やかでやさしい働きをもつため、敏感な肌はもちろん、炎症を起こした肌や荒れた肌のケアに是非応用したいものです。濃い浸出液を化粧水代わりにしたり、エルダーの花に熱湯を注いで立ちのぼる湯気を肌に当て、余分な皮脂や汚れを外にだすと同時に、うるおいを与えながらケアしたり・・・弱った肌をいたわったり。

精霊が宿るとされるエルダーの力を実感してみましょう。

風邪やインフルエンザがはやる時期、「ちょっと寒気がするな」とか「あれ? 体調がおかしいな」と思ったら、すぐにエルダーのハーブティーを飲んで身体を温め、早めに休みましょう。体力が奪われだすと身体は肌へ充分な栄養を送ることを二の次にします。全身の肌の健康を保つためにも、早めの対処が大切ですね。エルダーにリンデン(セイヨウボダイジュ)、ジャーマンカモマイルをブレンドするとさらに風味も良くなり、効果的ですよ。

リンデンには、心身の疲労を取り除き、安眠をもたらす効果があります。甘酸っぱく蜜のような香りが特徴です。ジャーマンカモマイルは、エルダー同様、風邪やインフルエンザに効果がありますが、それらにともなう寒気や頭痛にも効果のある、ヨーロッパのフィト療法を代表する植物です。

ティー用には乾燥ハーブをもちいます。かるくひとつまみが一人前の目安です。ブレンドする場合は、つまんだ合計量が人数分となります。ブレンドの配分等は、ティー用のハーブを購入するハーブショップなど、信頼できるお店でご確認ください。

 
   
   
 

今回はエルダーの花(エルダーフラワー)を用いた、外気の寒さや過剰な空調などによって敏感になった肌をケアするためのフェイシャルスチームをご紹介します。

   ★エルダー効果

  • 風邪やインフルエンザの症状(発熱、カタル、咽頭部の炎症)を軽減
  • 精神的な不安や緊張を鎮める
  • 皮膚の火傷や切り傷、炎症を修復
  • 美白やソバカスの除去、シワの予防
  • 心身の疲労を取り除き、安眠をもたらす

◇エルダーのフェイシャルスチーム

・材料(約1回分)

  • エルダーフラワー 大さじ2杯
  • 熱湯(※)
  • 洗面器
  • バスタオル

    (※)充分な湯気をだすために熱湯を用意しますが、肌に当てる際には充分注意してください。熱さを我慢するくらいの温度では肌に負担が大きすぎます。洗面器から自分の顔の位置を離すか、もしくは湯気が肌に当たったときの温度が心地よいくらいになるまで冷ましてからおこなってください。

・作り方

エルダーフラワーを洗面器に入れ、熱湯を注ぎます。

・使い方

丁寧に洗顔してから、すぐにおこないます。

洗面器をテーブルに置いて、そこから立ち上るエルダーフラワーの成分を含んだ湯気が顔にまんべんなく当たるよう座ります。その際、頭からすっぽりとバスタオルをかぶり、湯気がなるべく逃げないようにします。

湯気が出なくなったら(およそ10〜15分)バスタオルをはずし、ぬるめのお湯で軽く汗や汚れをすすぎます。そのあとすぐに化粧水やクリームなどをつけて肌を保護してください。

注意:フェイシャルスチームは肌の血行を促進するため、血管が拡張しやすい方(赤ら顔の方)には向きません。ご注意ください。

 

 
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●注意、免責事項●

  • 精油(=エッセンシャルオイル)とは、植物の花・葉・実・根などを水蒸気蒸留して得られる100%天然の芳香物質です。精油は非常に濃縮された状態になっているため、原液や高濃度での皮膚への使用は大変危険です。ここでは精油の使用量を、手作りするアイテムの全体量の1%以内にとどめています。けっして、自己判断で精油の使用量をレシピ以上にしないでください。
  • 火やペット、乳児、子供のそばで取り扱わないでください。
  • ここに掲載する手作りスキンケアのための素材ならびにレシピは、いずれも安全な範囲内と判断される内容で紹介していますが、体質や肌質によっては合わない場合があります。
  • 材料の購入、作製、使用、保存はすべてご自身の責任において行ってください。作製に使用する器具、容器などは、人やペット、環境への衛生管理についてもご自身の責任において行ってください。
  • 目安の保存期間内であっても、異物が見えてきたり、異臭などがしてきた場合はすぐに使用を中止し、破棄してください。
  • 乳児、子供、お年寄り、妊婦、既往症のある方など、身体が虚弱・敏感な方や疾患がある方、病後の方の場合は、自己判断では絶対に使用せず、専門家や医師、薬剤師に確認してください。
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●手島佐枝子(てじま・さえこ) プロフィール

日本大学農獣医学部農芸化学科卒。

“Aromatherapy Room Frangipani(フランジパニ)”が活動拠点。現在は、ハーブなどの植物を活用することで可能な、個々人に合った心身のバランスの取り戻し方などをテーマに研究・活動をおこなっている。また、アロマテラピストの教育指導をはじめ、アロマテラピー・ハーブの一般向け講座なども精力的にこなしている。

日本アロマテラピー協会認定アロマテラピスト。メディカルハーブ広報センター認定ハーバルケア・インストラクター。NHK文化センター講師。


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