実践「フィトスキンケア」   トップに戻る

 

 

   
 

ラベンダー ( Lavender ) ... (1)

●美容とダイエット ● 手島佐枝子の実践「フィトスキンケア(植物美容)」  第 1 回

フィトスキンケアは、植物がもつ肌のケア、美容に効果のあるパワーを見つけだし、上手に活用することで、からだにやさしいナチュラルなスキンケアを実現するものです。このコーナーではフェイシャルケアだけでなく、入浴やデオドラントなどのボディケアへの応用も紹介していきます。基本的には外用が主となりますが、取り上げる植物によっては、お茶や芳香としての利用も紹介していきます。家庭で手軽にできる簡単レシピをこころがけます。お楽しみに!!
 
   
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ラベンダー(別名/コモンラベンダー、イングリッシュラベンダー)

学名 Lavandula angustifolia
科名シソ科
成分タンニン、精油(リナロール、酢酸リナリル、その他)
作用殺菌作用、創傷治癒作用、消炎作用、鎮静作用、安眠作用など
入手できる
形態
乾燥ハーブ、精油
  
 
   
   
 

こころとからだを和ませるハーブの代表、ラベンダー

みなさんは“リラックスのためのハーブ”といわれたときに、こころに浮かぶものはなんですか?

……おそらく、多くの人は真っ先に“ラベンダー”という名前が浮かぶのではないでしょうか。

いまやラベンダーは、その香りの良さと強いリラックス作用で、わたしたちのこころとからだを和ませてくれるたくさんのハーブの代表となっています。

原産は地中海沿岸とされる背丈が50〜60cmのラベンダーは、標高800〜1400mのひじょうに乾燥した岩地で元気に育ちます。気が遠くなるほど永い人類の歴史のいろんなシーンにおいて、幅広い目的で……時代背景によってもさまざまですが、治療、魔よけ、家事(洗濯、防虫)、そして香水など……ラベンダーと人は関わり続けてきました。

古代ローマ人は、大浴場に大量にもちこんで、香りのよい衛生的な入浴を楽しみました。中世ヨーロッパでは、疫病対策として病院や教会の床に敷きつめたり、薫蒸して空気を浄化したりしました。近代では、戦火に負傷した兵士のために殺菌作用、消炎作用、創傷治癒作用のある精油が使われたこともありました。 

疫病や火傷、怪我などに対する効果だけではありません。疲れきった気持ちや深い悲しみ、こころに負った傷をも、ラベンダーの香りが癒してくれたことでしょう。ラベンダーは窮地に立たされた人間をその効力と穏やかでやさしい香りで、幾度となく救ってきたのです。

紫色の小さな花を穂状に付け、心休まる隠れ家のような茂みを作るように密集して咲くこのラベンダーと、そこから生み出されるわずかに草やフルーツのような香りを含んだ、甘く爽やかで繊細でありながらどこか無邪気な存在感のある独特の芳香は、いまも変わらず、わたしたちに恩恵を与えてくれます。

ラベンダーの芳香成分は、主にリナロールと酢酸リナリルです。スキンケアに応用すれば、あるときは肌にできた傷を殺菌して組織の修復を、またあるときは炎症を鎮め治癒を促すとされています。オールスキンタイプといわれ、にきびや皮脂の過剰分泌によるトラブル、日焼けでダメージを受けたデリケートな肌や乾燥で荒れた肌など、あらゆる状態に安心して使えることで有名です(注1)。

さらに、ラベンダー(注2)のもつ強い鎮静作用安眠作用は、こころとからだの美をつくるために不可欠な質のよい睡眠を促してくれます。ストレスや不安でなかなか寝付けないときは、大さじ約1杯のラベンダー(乾燥ハーブ)をカップに入れて熱湯を注いだり、精油を枕元に一滴垂らしたりして、香りを楽しむと良いでしょう。ここちよい眠りへと誘ってくれますよ。

 
   
   
 

(注1)

一般には非常に安全といわれていますが、一方で(まれではあるようですが)接触性皮膚炎の原因となるといわれています。他のハーブ、精油と同様に必ずパッチテストで自分の肌にあうかどうかを確かめてから使用しましょう。

パッチテストは、使用する素材や作製されたものが自分の肌に合っているかどうかを確認するために行うものです。二の腕の内側など、比較的肌の弱い部分に、対象となる素材や作製したスキンケアアイテムを10円コインくらいの大きさに塗り広げ、絆創膏をして48時間、様子をみます。アイテムを塗った箇所に赤み、刺激、かゆみ、腫れなどが見られた場合は使用しないでください。48時間を経過する前に、同じような異常が見られる場合も同様です。

(注2)

通称「ラベンダー」と呼ばれる植物はコモンラベンダー以外にもラバンジン、スパイクラベンダー、フレンチラベンダーがあります。これらは、コモンラベンダーと同じ成分を含んでいますが、成分比率がまったく異なります。

また、それぞれに特有の成分も含んでいますので、安全性や作用も違ってきます。ラベンダーの精油を購入する場合は、学名などを確認するか、店の人に聞くなどして、間違いのないようにしてください。

 
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●注意、免責事項●

  • 精油(=エッセンシャルオイル)とは、植物の花・葉・実・根などを水蒸気蒸留して得られる100%天然の芳香物質です。精油は非常に濃縮された状態になっているため、原液や高濃度での皮膚への使用は大変危険です。ここでは精油の使用量を、手作りするアイテムの全体量の1%以内にとどめています。けっして、自己判断で精油の使用量をレシピ以上にしないでください。
  • 火やペット、乳児、子供のそばで取り扱わないでください。
  • ここに掲載する手作りスキンケアのための素材ならびにレシピは、いずれも安全な範囲内と判断される内容で紹介していますが、体質や肌質によっては合わない場合があります。
  • 材料の購入、作製、使用、保存はすべてご自身の責任において行ってください。作製に使用する器具、容器などは、人やペット、環境への衛生管理についてもご自身の責任において行ってください。
  • 目安の保存期間内であっても、異物が見えてきたり、異臭などがしてきた場合はすぐに使用を中止し、破棄してください。
  • 乳児、子供、お年寄り、妊婦、既往症のある方など、身体が虚弱・敏感な方や疾患がある方、病後の方の場合は、自己判断では絶対に使用せず、専門家や医師、薬剤師に確認してください。
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●手島佐枝子(てじま・さえこ) プロフィール

日本大学農獣医学部農芸化学科卒。

“Aromatherapy Room Frangipani(フランジパニ)”が活動拠点。現在は、ハーブなどの植物を活用することで可能な、個々人に合った心身のバランスの取り戻し方などをテーマに研究・活動をおこなっている。また、アロマテラピストの教育指導をはじめ、アロマテラピー・ハーブの一般向け講座なども精力的にこなしている。

日本アロマテラピー協会認定アロマテラピスト。メディカルハーブ広報センター認定ハーバルケア・インストラクター。NHK文化センター講師。


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