ぺろぺろ甘い ピーチカーネルの蜂蜜パックも!!      トップに戻る

●美容とダイエット ● 筏丸けいこの突撃レポート「悠久の美を求めて」  第 12 回

 
   

 

 

 

 

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ピーチカーネルの蜂蜜パック

チャイニーズ・アスパラガス(天門冬)の蜂蜜パックを前回紹介しましたが、漢方生薬とハチミツを混ぜるだけの、美容法がまだまだあります。甘い蜂蜜パックが。
そのひとつがピーチカーネルをつかう蜂蜜パックです。
ピーチカーネルとは、バラ科の落葉小高木、桃の核のなかにある種子(「桃仁」・とうにん)のこと。

さっそく「ピーチカーネル(桃仁)」について、恵明会クリニック院長・山口典秀氏に、中医学美容の古典書をひもといてもらった。

  1. 美容効能は、血液循環をよくする。便秘を治す(便秘は皮膚には間接的にひびく)。シワをとり、皮膚をうるおす。
  2. 応用・使用は、かゆみ、シミ、しわ、鼻が赤くなるもの、白癜風(はくでんぷう=しろなまず)に効く。特に老年期の血液循環の悪さ、老人性の乾いた皮膚に使う常用薬物で、皮膚の発疹やかゆみ、がさつきをとって、皮膚をしっとりと輝かせる。老年美容でもまたこれをよく使う。
  3. 薬理臨床研究は、血液の流れを改善する性質があるので、粘っこくて、凝聚(ぎょうしゅう)するような血液の状態を改善する。 血液が固まるのを防ぐ。
  4. 使いかたは、飲む、お粥、お酒にするなど。さらに外用(顔につけるなど)。
  5. ビタミンB1、揮発油、脂肪油があって、脳の血管、および皮膚の血管の血液量を増加する。一定の抗血栓作用がある。初産婦の子宮収縮を促進する。抗炎症作用、抗過敏作用。じんましんと過敏性皮膚炎に対して、有効。45%の脂肪油は、腸内容物の 粘膜の潤滑性を高める。排便によい。降圧作用、鎮咳作用、タンを出す作用、抗ガン作用。妊婦は使わないように。

と。ピーチカーネル、なかなか皮膚によさそうでしょう。

 
   
   
 

さて、中国の美容レシピに「八白散」とか「七白膏」とネイミングされたものがある。使用するおもな漢方生薬名に「白」という字がつかわれているからだ。白って、美白が想像されて、なんと美しいことよ。

たとえば「七白膏」(しちはくこう)は、『太平聖恵方』(たいへいせいけいほう。991年。100巻の医方集)に載っている超有名な美容法だ。漢方生薬は、白シ(ビャクシ)、白レン、白朮(ビャクジュツ)、白附子(ビャクブシ)、白茯苓(ビャクブクリョウ)、白及(ビャッキュウ)、細辛(サイシン)を使う

ピーチカーネルを使う「七白膏」(『普済方』による)もある。

白シ(ビャクシ)、白レン(ビャクレン)、ピーチカーネル(桃仁)を各30g、シンイ、冬瓜仁(トウガニン。連載第5回で紹介)、白附子、細辛を各9g。

こちらは、ちょっと、「白」が少ないけれど。

ピーチカーネルバージョンの作り方・使い方を紹介すれば、これらを細かく粉末にして、卵の白身で調整して、団子の大きさにする、あるいは小指の大きさにして、陰干しにする。毎晩、洗顔後に、温かいショウ水に溶いて、顔にぬる。

すると、シワをとり!!シミをとる!!!

ショウ水はご飯と同じように炊いた粟飯をよく蒸して、熱いうちに冷水のなかにいれて、5〜6日間放置しておくと白い泡がでてくる。その水を濾過したものだ。
ショウ水はほかの美容レシピでもよく使われる。どういう働きがあるのか不明。お粥を炊いてほったらかして小旅行に出かけて、帰ってきたときの、あ〜あ、って感じかな。ねばり?

 
   
   
 

美容法は錬金術

ショウ水ならまだいいほうだ。いまでも作って作れないことないもの。

ところが漢方を使った中国の伝統美容レシピには、えっ!? ほんと〜〜、と叫びたくなるほど、こみいったものがたくさんある。作るのがたいへん。しかしそれだけの意味と価値はあったのだろう。なぜなら伝統を受けつぎつつ、さらなるグレードアップをめざし、その時代を代表する宮廷秘法として作られ、使われていた国の貴重な財産なんだもん。

美容法、すごいなあ錬金術の世界だ。

さあ。ピーチカーネルの蜂蜜パックは、古典書によると、「粉末にしたものを、毎夜、ハチミツと混ぜてぬるといい。シワをとり、皮膚の色がよくなる」とある。お手軽な基本料理みたいな蜂蜜パック。ありがたいわ。

つづく

 

 

 

 

 
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●筏丸けいこ:プロフィール

詩人。1980年代前半から詩をかきはじめる。いっぽうで寄席演芸や大道芸が好きで、「人間ポンプ」「人間美術館」など多数の芸人の取材をする。数年前に健康雑誌で美容取材をしたのがきっかけで、天然の素材をつかった美容に開眼。現在、料理をつくるようにキッチンでクリームやローションをつくっている。また東京都足立区のライブハウスyukotopiaで、マンスリーでさまざまな音楽とのポエトリー・リーディングをしている。詩集『再婚譚とめさん』『あかいパラソルをさしたフランケンシュタイン』『パプリカ・ブリーカー』(ともに思潮社)、著書に『いつもお祭り気分 幇間の世界』(亜紀書房)、『かなしいときは ほかほかごはん』(大和出版)、『試してよかった! 自然美容法』『自然美容法 ここがポイント!』(ともに筑摩書房)など。


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