アンジェリカ・ダフリカ-美容中医学エントリーNo.1の実力は?!      トップに戻る

●美容とダイエット ● 筏丸けいこの突撃レポート「悠久の美を求めて」  第 8 回

 
   

 

 

 

 

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♪何か〜ら 何ま〜で〜 真っ暗闇で〜

そう、ツルタコウジを歌っているのは、かつての私です。

鼻を鳴らしながら美容中医学の本をチェックしているものの、じつは魑魅魍魎(チミモウリョウ)とした世界にしかみえなかった。

ところが・・・。いいあんばいに天使がおりてきたのである。

天使とは幾冊もの古典美容書等で、やけに目についた生薬「ビャクシ」のことである。

前回で紹介した私のお気に入り・その1「アンジェリカ・ダフリカ」(学名。Angelica dahurica)は、生薬名をビャクシといい、セリ科の多年草ヨロイグサ(和名)の根を乾燥させたものだ。おなじアンジェリカでも、当帰(とうき Angelica acutiloba)や、ヨーロッパ当帰(Angelica archangelica)と、ビャクシとはべつである。

そして、そして。

ビャクシこそ中国宮廷女性達の古典美容レシピ中、一番出番が多く、また当然にもいくつかの重要な伝説のレシピで、ひんぱんに使われる生薬だったのである。

 
   
   
 

古典美容に多く登場するビャクシ

アンジェリカ・ダフリカを使わずして、中医学美容とはいえまい。

なんちゃって、かくいう私もアンジェリカ・ダフリカをはじめはどう扱ってよいのか頭を抱えたのである。

ここで、ビャクシの美容効果について――。恵明会クリニック・院長山口氏に、同氏が所蔵する古典書を翻訳してもらったので、かんたんに紹介しよう。

 

 ★ビャクシの美容効果

  1. 皮膚の薬としては非常にいい。皮膚を潤し、かゆみをとる。色黒、イボをとることができるので、これをクリームにすれば顔色を潤す。つまりしっとりした肌になる。そして皮膚のむくみ、かさかさなどを治すことができる。
  2. ビャクシの中の活性成分―ビャクシ素は、顕著な血管拡張作用を有する。中医学ではこれを活血作用という。

とくに顔面の皮膚に非常に効果が高い。ビャクシを配した方剤を常に服用する、あるいはビャクシの粉末(細粉)をお肌に塗るのは、お肌をしっとりとふくよかな感じにして、皮膚を紅潤にする。つまり血色をよくする。だから美容効果がある。日本ではビャクシを雀斑(ジャンパン)すなわちソバカス、面部の憔悴の治療に用いている。ビャクシは血液循環を改善して、血管の拡張と消炎作用を有する

 
   
   
 

生薬は組み合わせて使う

とまあ、ビャクシを肌に使うのは悪くないのである。むしろお肌のためにいいのである。

ところが、一つの問題がある。ヨロイグサの根にはフロクマリン誘導体のビャク−アンゲリシン、ビャク−アンゲリコールなどが含まれていて、悲しいかな、これらのフロクマリン類は光感作効果をもっているというのだ。

がーーーーーーん。まいっちゃうよなああああああ。

つまり、これ塗って、光をあびちゃ、皮膚表面がやばい!!(紅斑が・・・色素沈着が・・・)
イチジク、セイヨウノコギリソウ、セリ科の類似する植物などがフロクマリン類を含んでいるらしい。
まさかの落とし穴。ビャクシ塗りつつ、深窓の令嬢ってわけにいかないでしょ、いまどき。ふたたび、ツルタコウジを口ずさむ私である。

一喜一憂の末、私は考えたのである。漢方薬の世界は数種の生薬を配合することによって、病気に対応している。たがいの相乗作用で効果が高まり、また副作用をおさえもする。古典美容のレシピでもおもに数種の生薬を使っている。ときには10種類以上の場合もある。さらに、ハチミツ、酢、脂、酒などを加えてもいる。

インドの伝統医学アーユルヴェーダもハーブは1種類ではなく数種類を調合してつかっている。やはり効果を高めるため、同時に副作用をなくすためである。内服、外用する場合も補助的な成分としてハチミツ、ギー、オイル、牛乳、黒砂糖などをハーブと一緒につかう。これもまたそうすることで治療効果を高め、ハーブの副作用をおさえることができるからだ。

もう、ためらう必要はない。アンジェリカ・ダフリカ=ビャクシを単独(単味)で、つかわなければいいのだ。

つづく

 

 

 

 

 
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●筏丸けいこ:プロフィール

詩人。1980年代前半から詩をかきはじめる。いっぽうで寄席演芸や大道芸が好きで、「人間ポンプ」「人間美術館」など多数の芸人の取材をする。数年前に健康雑誌で美容取材をしたのがきっかけで、天然の素材をつかった美容に開眼。現在、料理をつくるようにキッチンでクリームやローションをつくっている。また東京都足立区のライブハウスyukotopiaで、マンスリーでさまざまな音楽とのポエトリー・リーディングをしている。詩集『再婚譚とめさん』『あかいパラソルをさしたフランケンシュタイン』『パプリカ・ブリーカー』(ともに思潮社)、著書に『いつもお祭り気分 幇間の世界』(亜紀書房)、『かなしいときは ほかほかごはん』(大和出版)、『試してよかった! 自然美容法』『自然美容法 ここがポイント!』(ともに筑摩書房)など。。


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